内部告発者が示すリーダーシップ 職業人が学べる5つの教訓

Ian Ross Pettigrew / by Getty Images

米メディアは今、ドナルド・トランプ大統領に対する弾劾調査のきっかけとなったウクライナ疑惑に関する内部告発のニュースでもちきりとなっている。内部告発者とは、雇用主や他の従業員による不正行為を当局へ知らせる従業員を指し、報復からの法的保護が与えられている。以下に、職業人が内部告発者から学べる5つの教訓を紹介しよう。

1. 法を知る

リーダーは何が正しくて何が悪いかを知っている。自分の力を最大限に発揮するには、どの行動が合法あるいは違法かを知っておく必要がある。自社の規則を知っておくこと。法と規則を知れば、自分の権利や利用できる救済方法を知ることができ、自信を持って行動を起こせる。

2. 倫理、道徳、誠実さを優先する

リーダーは、誠実さと倫理的・道徳的行動を大切にする。自分が重視する行動や自社の信条について考えよう。

リーダーは、正しい行動をとることを重視する。自分は正しい行いをしていることに安心感を持とう。自分の倫理基準を見失わないように。

3. 悪い行いを目にしたら声を上げる

問題行動を目にしたときは、声を上げよう。何も言わなかったら後で自分がどう感じるかを考えること。

ただし、告げ口屋にはならないこと。違法でも深刻でもない“問題行動”を見つけようと他人の粗探しをして、単なる自己アピールの手段としてそれを「告発」するような人間になってはいけない。内部告発者は一般的に、自分の正体を公表はしたくないものの、他者や組織、あるいは社会一般にとっての最善を考え、告発が自分の使命であると考えている。内部告発者は自分が目立とうとはしない。

はっきりさせておくと、状況が内部告発のレベルにまで至っているなら、悪事を働いた者に直接対決する段階は既に過ぎていることになる。

4. プライドや仲間関係、力関係を超えて考える

仲が良い同僚や、自分と考え方の近い同僚、プロジェクトで協力してもらった同僚が悪事を働く場面を目撃してしまうこともある。自分が好感を持つ人や人気者をかばいたくなるのは自然だが、好感度や人気は責任を逃れる理由とはならない。

5. 自己犠牲をいとわない

リーダーは、それが自社の健全性であれ自国の憲法であれ、自分よりも大きなものを守るため、自分を犠牲にする勇気を持っている。リーダーは、重要なプロジェクトや自分の職、あるいはさらにそれ以上のものを危険にさらす覚悟ができている。開拓者は、リーダーシップの特権にはリスクが伴うことを承知しているものだ。

法に触れる行為やモラルに反する行為を目撃した場合には、声を上げよう。時には、大義のために人々の責任を追求するべく、勇気を振り絞らねばならないこともある。

編集=遠藤宗生

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