ビジネス

2019.10.15 09:00

「世界観」にこだわる インフルエンサー発、5つのファッションブランドが誕生


pickiの創業は2017年5月。代表の鈴木昭広は、韓国出身の母親が韓国で日本向けアパレル製造販売の会社をやっていたこともあり、母親の手伝いをしながら、25歳のときに韓国で起業した経験を持つ。

初めて立ち上げた会社で手がけた事業は日本でファッションブランドを展開する企業から発注を受け、韓国の質の良いアパレルメーカーで洋服をつくり、それ納品するという受託生産のビジネス。当時は多くの日本企業が韓国でアパレルを生産をする時代だったため、現地の質の良い縫製工場との繋がりが事業の強みになり、起業後、すぐに利益が出始めるなど順調なスタートを切った。

「月数百万の利益が出るくらい、事業が順調にスタートして。25歳の自分にとっては大きな額だったので、すごく調子に乗ってしまったんですよね。内部留保せず、お金を使いまくっていたら、結果的にその後、すごい痛い目を見ることになりました……」

事業のスタートから間もなくして、アベノミクスが始動。大規模な金融緩和と財政出動によって円安株高の状態になり、鈴木の会社のキャッシュフローはガタガタの状態に。その結果、好調だった事業が一転、数千万円の借金を抱えてしまった状態に陥ったという。

「僕の為替に対する知識が甘かった故の結果なのですが、何とかして借金を返したい。当時、日本企業を相手にビジネスをしていたので、日本に戻って東京を拠点に仕事をすることにしたんです。28歳の頃でしたね」


picki代表の鈴木昭広

借金を返済。日本で味わった新たな刺激

日本に戻った後もアパレルの受託生産ビジネスを展開。すぐに膨大な利益が出るビジネスではないものの、粛々と続けていくことで1年半かけて借金を返済した。

「借金を返済しながら、東京でビジネスをしていく中で、東京は面白い街だなと思ったんです。面白い人がたくさんいて、そんな人たちに会おうと思えば会える。僕は20歳の頃、堀江貴文さんの著書『稼ぐが勝ち』を読み、すごく影響を受けたのですが、堀江さんにも会えるんですよね。ちょうどオンラインサロンが立ち上がったばかりで、すぐに入会し、合宿に参加したら、堀江さん以外にも面白い人たちがたくさんいる。そんな人たちと話すことで、自分もまたビジネスで勝負したいと思うようになりました」
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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