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2019.10.11

日本のスタートアップ文化に足りないのは「世界へ開いていく道」|ユーザベース 梅田優祐

ユーザベース 梅田優祐

企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」を提供しているユーザベース。「経済情報で、世界をかえる」をミッションとし、2008年創業でありながら、2013年に上海・香港・シンガポールに拠点を開設し、2016年にはスリランカにリサーチ拠点を開設した。

翌2017年には「NewsPicks」の米国進出に伴い、Dow Jones社との合弁会社をニューヨークに設立するなど、グローバル展開にも力を入れている。今回は、同社の代表取締役・梅田優祐氏に起業家の素養や「NewsPicks」開発秘話などについて聞いた。(全6話)※本記事は2017年4月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。

日本のスタートアップ文化に足りない1つのこと

──日本のスタートアップ起業家やスタートアップ業界に対しての思いをお聞かせいただけますでしょうか?

日本全体としてはすごく良い流れだと思います。

このままスタートアップが一つの文化として根付いて欲しいですね。クールなキャリア選択の道として地位を築いて欲しいと思います。今後一層スタートアップが注目される傾向は強まっていくでしょうね。

──10年前と今とでは大きく変わったように感じますが、梅田さんはどのようにお考えでしょうか?

はい、全然違ってきていますね。起業家の層も厚くなり、すばらしい状況ですよね。

唯一の懸念点は、ひたすら日本国内で閉じてしまっているということだと思います。

後、足りないのは世界へ開いていく道だけじゃないですか。とにかく世界で使われるサービスを作って、世界に売っていくっていうことが必要なんです。

日本は一度ロールモデルができると強いので、まずは先陣を切れることを目指す。そのために、私たちは頑張らなければいけません。



世界を切り開く道

──御社は海外進出も果敢に挑戦されていますが、苦労された点などをお聞かせいただけますでしょうか?

海外に行って一番困ったことは、会う約束をしている海外の方が、事前に私の基本情報を得るためインターネットで検索しても何も情報が出て来なかったことです。私に関する全ての情報が日本語のため、情報がないと言われたんです。結果的に、誰だか分からない人には、アポを取ろうと思っても中々時間をとってもらえなく苦労しました。

日本の中で流通している情報は、本当に日本の中だけで閉じていて、世界の人がアクセスできないものなので、知ろうと思っても知ることができないんです。

私にとって一番良かったことは、実際に海外に移り住んでみたことです。住んでみてもないのに「アメリカと日本は全然違う」と言う方が多いのですが、住んでみれば実はそんな大した差はないことに気づいたりもします。

常に事業作り3年と言っていますので、なんとか次の3年で結果を出して行きたいと思っています。

連載:起業家たちの「頭の中」
過去記事はこちら>>

文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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