75のブランドを抱えるLVMHは10月2日の第3四半期決算発表で、17%の売上の伸びを報告した。同社の株価は2日の取引終了時から5.6%の上昇となり、アルノーの保有資産額は992億ドル(約10兆700億円)に膨らんだ。
アルノーは現在、ジェフ・ベゾス(保有資産1075億ドル)やビル・ゲイツ(同1051億ドル)に次いで世界第3位の富豪となっている。LVMHの好調な決算は他のラグジュアリーブランド株にも波及し、グッチを擁するケリングの株価も3日に4.2%上昇した。ケリングCEOのフランソワ・アンリ・ピノーの保有資産も、11億ドル増の302億ドルとなった。
パリに本拠を置くLVMHの売上はアジアを含む世界中で伸びている。香港では抗議デモが続いているが、香港の売上が同社の世界売上に占める割合は5〜10%程度とされている。LVMHの日本を含めないアジアでの売上は、第3四半期に12%の増加となった。
同社によると中国では化粧品セグメントが急拡大しており、先月は香港にコスメストア「セフォラ」の第一号店をオープンさせた。日本での売上も伸びており、ワインやシャンパンが好調だった。全カテゴリを通じ、最も好調だったのはファッション・皮革製品部門で、為替の影響を差し引くと19%の伸びだった。
2017年のフォーブスの取材に対しアルノーは「事業を成功させるためには、プロダクトの立ち上げをグローバルで行う必要がある」と述べていた。「以前より大きな投資が必要になるが、そこが当社のアドバンテージとなる。消費者に強く求められる新たなプロダクトを生み出し、世界中で販売することがLVMHの強みだ」と彼は話していた。
アルノーの保有資産は今年6月に1004億ドルを記録したが、その後の株価の下落で900億ドル台に沈んでいた。しかし、彼は今再び1000億ドル超えを狙えるポジションに迫っている。