ヴァージン・オービットが「火星探査」へ、2022年にも打ち上げ

火星/Getty Images

リチャード・ブランソンの宇宙企業「ヴァージン・オービット(Virgin Orbit)」は10月9日、早ければ3年後に火星に向けたロケットを打ち上げると宣言した。ヴァージン・オービットは宇宙旅行を手がける「ヴァージン・ギャラクティック」の兄弟企業だ。

同社はポーランドのSatRevolutionと共同で、「世界初の火星に向けた商用小型衛星プロジェクト」を立ち上げると宣言した。打ち上げにはヴァージン・オービットが以前から開発中の、空中発射式ロケットのランチャーワン(LauncherOne)を用いるという。

ヴァージン・オービットのビジネス開発部門のStephen Eiseleは「ディープスペースを目指すこのミッションに非常に興奮している」と述べた。

今後ポーランドの大学と共同で、火星で3つの科学ミッションを行う予定で、初回の打ち上げは2022年以降に予定している。計画の詳細は未公開だが、同社は重量が50キロ程度の小型衛星を飛行させ、火星や第1衛星のフォボスを撮影し、大気の分析を行うという。

カリフォルニアに本拠を置く同社は、第1回の打ち上げの実施を年内に予定している。同社のランチャーワンは最大で500キロのペイロードを軌道に送り込むことが可能だが、火星への打ち上げに向けては追加のステージの設置が必要になるという。

「小型の第3ステージを設けることにより、火星や木星、小惑星帯への飛行が可能になる。火星の軌道にのせるためには、追加のステージが必要だ」と広報担当者は話した。

仮にヴァージン・オービットが小型衛星を火星に送り込むことに成功すれば、企業や大学の研究者に巨大な可能性が開かれることになる。SatRevolutionのプレジデントのGrzegorz Zwolińskiによると、ポーランドの科学者らが既に、世界初の惑星間にまたがるリサーチプロジェクトの準備を開始しているという。

「我々の試みは小型衛星テクノロジーの発展を加速させるものだ。この分野におけるポーランドの存在感を高めていきたい」とZwolińskiは話した。

編集=上田裕資

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