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さて、レストランの話、なんでもするよ。

大橋直誉(おおはし・なおたか)と申します。2018年末までレストランを経営していました。

東京の白金台。いつの頃かシロガネーゼで有名になった「プラチナ通り」から入ったところ。居抜きで始めたレストランで「カンテサンス」という予約の取れない三ツ星レストランの跡地。場所も前店も超一流のなか「ティルプス」というレストランを2013年にスタートしました。

レストランの開業に必要なのは「お金」

レストランというのは、どうやってできているんでしょう?何が必要なんでしょう? 簡単に言うと「お金」です。

1ミリの修行経験がなくたって、レストランの開業コンサルタントにお願いしてお金をかけ続ければレストランのスペックは上がっていくだけ。凛としたダイニング、ハイグレードな調度品、世界中のシェフが来ても納得するほどのキッチン。「お金」があると、レストランは完成します。

とはいえ、年齢と同じ給料を得るのが難しい飲食業では、そこで働く若きシェフ、ソムリエたちが容易に独立できるわけはありません。

「お金」はない。そこに修行経験もなく、技術もない。となると、お店は始められない。

銀行で借りたり、出資者を探したりすることになります。物件のあてもなく、レストラン・会社の設立経験もなく、コンサルタントも雇えない。

それなのに、なぜこんなに世の中にレストランがあるのでしょう?

それは、レストランはお金がなくても始められるからなんです。こいつに出資してもいい、出資したいという人間になれればいいだけなんです。

ボクは飲食業とレストラン業は、似て非なるものだと思います。ターゲティングやマーケティングというより「やりたい事をやる」というのがレストランである気がします。

ボクは、フランスでソムリエをしたり、のちに買うことになる「カンテサンス」で働く1人のサービス人でした。当時は29歳でしたが、独立なんて描けるものでもなく、一緒にやるシェフもいない。マネジャー経験も、チーフソムリエ経験もない。なんなら、名刺も持ったことさえないから顧客リストも全くない。

「30にして立つ」権利さえ持ってませんでした。

「やっちゃう?」タイムリミットは3カ月後

そんな時に、カンテサンスというレストランが移転することに。移転後の空いた物件のあとは決まってない。「やっちゃう?」と思って、そのままカンテサンスのオーナーシェフへ相談に。

「え? いいけど、ここ家賃高いよ」

白金台の家賃の相場も知らなければ、お店がどう運営されてるかもわからない。場所は決まり! お金もないし、シェフもいない……。それでも、準備をしよう。タイムリミットは移転する3カ月後!

文=大橋直誉

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