「デザイン経営」の本質を考える


──デザイン組織ゆえの課題はありましたか?

「デザイン組織の課題のひとつは、ビジネスパートナーやエンジニアリングパートナーなど他の組織から、デザイン作業の内容や時間枠、つまりプロセスがちゃんと理解されていないことでした。だからこれまで『明日までにデザインをあげて欲しい』という無理な電話がかかってきていたのです。正式なプロセスを導入することにで、様々なデザインプロジェクトやデザイン演習があり、誰が必要で、成果物はこうだ、ということが明確になり、デザインチーム内の効率化だけでなく、他のチームにデザインチームのワークフローを理解してもらえることができたことは大きな収穫でした。」(マイロルド)

──デザインプログラムマネジメントチームやDesign Opsチームのメンバーはどのように採用していますか?

「デザインプログラムマネージャーは、プロダクト開発のライフサイクルを熟知していることが必要です。そのためデザインプログラムマネージャーの採用には、最初の1人もそうでしたが、エンジニアリングのバックグラウンドをもつ候補者が多いです。エンジニアリング組織にはエンジニアリングプログラムマネージャーがいます。彼らは、プロダクトエクスペリエンスにもっと影響を与える仕事がしたい、デザインチームでならばその役割ができると思っています。」(マイロルド)

Design Opsの未来

──今後数年のうちに、Design Opsはどのように変化、または進化すると思っていますか?

「まずは私のチームで、さらに進化していって欲しいです。今後ますます多くの企業が、多くのデザイナーを使いこなすようになると思います。エンジニアリングやビジネスのことを考える前に、デザインのことを考えるようになるでしょう。企業がその方向に進むにつれて、Design Opsの重要性はますます高まります。きちんとスケジュール通りに物事が進んでいるかを確認するだけの、エンジニアリングプログラムリーダーは減少するでしょう。なぜなら私はそれをアドビで実際に見てきたからです。 私の経験では、デザインプログラムマネージャーは、組織の中でプロジェクトを前進させるためのすべてのスキルを備えています。彼らは戦略的、創造的に考え、プログラムを実行し、スケジュールを前に進めます。デザインプログラムマネジメントの役割は、今後もっとこのスキルを深めていくことが必要になるでしょう。」(マイロルド)

デザインの価値を高め最大化させるためには、デザイナーの人数を増やすことではなく、デザイナーをデザイン作業に集中させること。

世界でも最大規模のデザインチームを持つアドビが実践するDesign Opsは、10年以上前から自然発生的に生まれていた。アドビの成長の原動力には、Design Opsがあったと言っても過言ではない。デザイン経営の鍵を握るのは、Design Opsなのかもしれない。

連載:「デザイン経営」の本質を考える
過去記事はこちら>>

文=リー・コーリー

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい