アップルの「ARグラス」は来年前半に発売、著名アナリスト予測

ニューヨーク5番街のアップル旗艦店新装開店であいさつするティム・クック(9月20日)(Photo by Taylor Hill/WireImage)

アップルがAR(拡張現実)に対応するスマートグラスの開発を進めていることは、以前から報じられてきた。しかし、その登場時期は予想より早まりそうだ。

確度の高いリーク情報で知られる、著名アナリストのミンチー・クオ(Ming-Chi Kuo)が最新レポートを公開し、CNBCが報道した。クオによるとアップルのARグラスの発売時期は2020年の第2四半期だという。

つまり、来年の4月から6月頃までにこのデバイスは発売されることになる。さらに興味深いのは、アップルがARグラスの製造を外部のサードパーティと行うとクオが述べている点だ。アップルウォッチのスペシャルエディションは、ナイキやエルメスとの協業により製造されたが、同様な取り組みが実現する可能性もある。

メガネ型デバイスはファッション性が求められるアイテムであり、著名な企業がデザインしたフレームを用いるのは、理にかなった戦略といえる。

ARグラスはアップルが、AirPodsやアップルウォッチの発売以降、初めて進出する新たな製品カテゴリになる。現実世界の上にデジタルイメージを重ねて表示するARデバイス領域で、アップルはこれまで競合に遅れをとってきた。しかし、日頃使い慣れたiPhoneやiPadとARグラスを組み合わせることができるなら、非常にエキサイティングなことになる。

ARグラスはナビゲーションや、天気や株価のデータの表示など、様々な活用法が想定でき、日々の暮らしを劇的に変えるものになりそうだ。

このカテゴリに数年前に乗り込んだのがグーグルだった。しかし、グーグルグラスは不格好な外見が災いし、売上は伸びず、わずかな期間でコンシューマ向け市場から撤退した。グーグルのデバイスは、人々にプライバシー侵害の懸念を抱かせたことも不評の原因だった。

しかし、セキュリティとプライバシーを重視するアップルであれば、グーグルと同じ失敗は犯さないはずだ。

アップルはこれまでの同社の製品に匹敵する、洗練されたデザインでAR市場に乗り込むことになるだろう。アップルウォッチと同様なカラーバリエーションや、カスタマイズ性を備えたARグラスの登場も期待できそうだ。

編集=上田裕資

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