ロサンゼルス市は最近、同市郊外のモハベ砂漠にある大規模な太陽光発電所「ビーコン・ソーラー」との電力供給契約を結んだ。同発電所は同市年間消費電力の6〜7%を担う予定で、その料金は天然ガス発電よりも安価だ。同発電所はソーラーパネルと蓄電池を組み合わせることで、安価に電力を提供できるのみならず、夜間の供給も可能にしている。
つまりこの発電所は、太陽光エネルギーは高価であり、太陽の出ていない時は需要を満たせない、という太陽光エネルギーをめぐる二大神話を否定する存在なのだ。
カリフォルニア州ではこれまで、電力が日中は余り、夜間は不足する状況にあった。同州では、2045年までに全ての消費エネルギーを再生可能資源から生産することを定めた法律が定められ、こうした取り組みを促進している。
ロサンゼルス市が結んだ契約は、オーストラリアでの最近の取り組みに続くものだ。同国では、巨大な蓄電施設が設置され、大規模な費用節約を実現するのみならず、設置費用を記録的な速さで回収している。同国は今後2年以内に必要な電力の35%を再生可能資源から供給することを目指しているほか、シンガポールなどの国々に再生可能エネルギーを輸出する計画だ。
価格低下と効率性向上が続くソーラーパネルと蓄電池を組み合わせれば、化石燃料よりも安価なクリーンエネルギーを供給できる。さらに、この組み合わせは住宅での自家発電を含むあらゆるレベルで実現可能だ。発電設備は従来と比べて大掛かりなものではなくなっており、農場と並行した設置(ソーラーシェアリング)も可能だ。電池は日々改良が進み、電力産業の現実的な需要に応えられる性能を得るようになっている。
太陽光エネルギーと蓄電の組み合わせを含む再生可能資源に基づき、エネルギー分野の状況を根本から見直す戦略的必要性は高まっている。事実、電池は未来に向けた最も重要な要素のひとつとなりつつあり、英国、ドイツ、アラブ首長国連邦、米国などの国々で注目を浴びている。
電池は、大規模インフラに加え、家庭でも重要な役割を果たすようになるだろう。あなたの国の政府は、エネルギー政策を抜本的に見直す計画を立てているだろうか? それとも、今も現実から目を背けているだろうか?