名前については、元編集者社員の「Aチームだとセンター争ったり大変だから、新しいことだけできるようにBチームくらいがよくない?」の一言により、電通総研Bチームと命名。組織改編とともに、その後、電通Bチームとなりました。
なので、実は、苦し紛れと成り行きでこうなったわけです。しかしただの偶然ではなかった。すべてが「B」の一文字で統合され、腑に落ちることになっていたので。なぜ「B」がハマったのか? 再整理するとふたつの意味がありました。
ひとつ目は、社員の個人的なB面を活用して、本業(=A)に活かしていること。好きこそ物の上手なれで、モチベーション高く仕事ができるのはもちろんのこと、検索できない、体験に基づく活きた情報が入ってくるメリットもあります。イノベーションは違う情報の新結合。良い情報は必須ですから、これはすごい武器になります。
またふたつ目の意味は、「PlanBやApproachB」のB。今までと違うプランや方法を生むということです。今日本が閉塞していると言われます。もしかしたら世界も。そんな時はどうすればいいか。方法を変えればいいのです。急に変えるのはリスクがある、という声が聞こえそうですが大丈夫。小さい実験からやればいい。これは、A面にはヒット曲、B面には実験曲を入れていたビートルズのレコードのリリース法と一緒です(諸説あり)。常に新しいことは小さく、裏から、つまりBから始まるのです。もちろんうまくいったら、徐々に大きくし、新しい本流=Aにしていくのです。
レコード時代、A面でヒットを狙い、B面で実験することがあった。ビートルズはその好例。
孫子の兵法にも近いことが。城を落とす方法はふたつのみ。正攻法と奇策。奇策=Bチーム。
最後に、Bチームを作るコツ。これをひとつだけ共有します。5年やってくると、Bチームがうちにも欲しい! とのことで、教えたケースも多々あります。でもこれ、文化や業種などで変わるので、一概に言えないんですね。方程式はない。カスタムメイドの必要があります。
そんな中でも、すべての場合で共通することがあります。それは、「パーソナルなことを大切にする」ということ。変革は個人からしか生まれないからです。一個人として、今自分が本当に思うことや感じることを大事にすること。70億人の中でその人だけが持つ才能や個性を活かすこと。それからしか、新しい、ユニークなことは生まれない。だから。勇気を持って。自分たちが正しいと思うことをするのだ。そういう思いを中心に置くのがコツです。
これからも連載が続く限り、僕らも自分たちが本当に感じたこと、信じることを書いていきます。一緒に新しい時代を作れるように。これからもどうぞよろしくお願いします!
倉成英俊◎電通Bチームリーダー。1975年佐賀県生まれ。自称21世紀のブラブラ社員。気の合う人々と新しい何かを生むことをミッションに、公/私/大/小/官/民関係なく活動中。
電通Bチーム◎2014年に秘密裏に始まった知る人ぞ知るクリエーティブチーム。社内外の特任リサーチャー50人が自分のB面活用し、1人1ジャンルを常にリサーチ。社会を変える各種プロジェクトのみを支援している。平均年齢36歳。合言葉は「好奇心ファースト」。