ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信


そんななかで、オバマ大統領の博物館の着工が遅れている。当初は2021年にはオープン予定だったにもかかわらず、まだ工事も始まっていない。年々建設費が高くつく博物館は、いまや約500億円の総工費を予定していて、オバマ大統領の個人的な非営利団体であるオバマ・ファンデーションのために、オバマは今日も各地で講演活動をして、集金活動中である。

さらに、土地をシカゴ市から100年にわたり毎年10円で借り受ける契約について、住民からいくらなんでも安いと無効処分を求める提訴があり、これが2019年6月に裁判所によって棄却されるまで凍結される事態となった。

総工費の500億円というのは建物の建築費だけの話で、そこにつながる道路や整地にかかる費用は、シカゴ市が175億円も別途出すというからその規模感は相当なものだ。


大統領センターについて話すバラク・オバマ元大統領(2017年撮影、Getty Images)

このアメリカの大統領博物館の、エンターテイメント性に歩み寄った歴史博物館のコンセプトを、日本でも真似られないかと思う。伊藤博文や三木武夫など、地元色の強い記念館はあるが、「総理大臣博物館」はない。リーダー像を通して歴史を振り返る、新たな観光資源の開発という意味でも、うってつけだと思うのだが。

中国の周恩来首相と取り組んだ日中国交正常化への足取りを、田中角栄のキャラクターを通して広く学べたら有益ではないだろうか。仮にロッキード事件の記述が皆無でも、筆者なら田中角栄博物館に若者たちを連れて行く。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太

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