「機能」と「風格」を兼ね備えたコート|紳士淑女の嗜み

ダーバンのコート


森岡:秋冬のシーズンにはウールのコートがビジネスウエアの定番ですが、最近は、日本の冬は暖かいですからね。ウールでなければ耐えられない期間は短いです。それにこのコートには取り外し可能なライナーが付いています。

小暮:これを付ければ十分冬まで着られますね。秋口や春先に着るときにはライナーを外しておけばいい。

森岡:スリーシーズン使えますね。そういう意味ではコストパフォーマンスも高いコートと言えます。

小暮:秋は意外と雨が多いですよね。「ゴアテックス」の最大のアドバンテージは防水性ですので、急な雨でもこのコートを着ていれば安心だと思います。

森岡:それにこのコートは軽いですよ。肩が凝らない。重い服は着たくない、そんな時代ですからね。コートを脱いで持って歩くこともありますよね。そういうときでもこの軽さは強みになると思います。

小暮:確かにそうですね。これは軽い。ライナー付きということを忘れそう。

森岡:凛々しい雰囲気をもっているから、あまり軽く見えないのです。でも着てみると軽い。それがいいですね。それにコート自体の仕立てが美しい。どんなに上質な生地を使ったコートでも、仕立てが悪いとコートは台無しです。クロージングのダーバンの面目躍如といった感じですね。

小暮:だから“高見え”するのですね。

森岡:これだけ社会がカジュアル化していますから、ビジネスマンでもスーツにナイロン素材のコートを着て、リュックサックで通勤します。そういう機能性は重要ですが、周囲から着こなしをいつも見られているビジネスマンは、“高見え”することも大事だと思いますよ。ビジネスウエアも仕事のツールのひとつですからね。

小暮:着丈も長からず、短からず。デザインもベーシック。まさにオールマイティ。

森岡:ある意味、どんな世代のビジネスマンにも適している。買っておいて、絶対損はないコートだと断言できます。



森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

photograph by Masahiro Okamura|text by Masahiro Kogure|fashion direction by Hiroshi Morioka|illustration by Bernd Schifferdecker|edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN 空気は読まずに変えるもの日本発「世界を変える30歳未満」30人」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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