野望か狂気か?「銀河系ゲーム」を作る伝説的クリエイター

ゲーム制作会社「クラウド・インペリアム・ゲームズ」共同創業者のクリス・ロバーツ

「たまに、『最高に美しいものができあがるまで見せられない』と言いたくなることもあるよ。でも多くの場合、粗編集したものを見せて『これはあくまで粗編だから』と伝えなくてはいけないね」

そう語るのは、伝説のゲーム開発者、クリス・ロバーツ(51)だ。彼は現在、宇宙を舞台にしたオンラインゲーム『スターシチズン』を開発中である。──それも始まってから、7年も経とうとしている。 

衝撃的なのは開発期間の長さだけではない。開発費もその多くをクラウドファンディングで賄っており、約110万人が2億4200万ドルも出資している。100にも及ぶ恒星系を作る、というゲームのスケール感と、『ウィングコマンダー』などの傑作を開発してきたロバーツの実績を信じてのことだ。

しかし、ロバーツのマイクロマネジメントぶりが祟って、未だに恒星系が一つも完成していない。

本当に完成するのか。不安の声に対し、ロバーツは自信を見せる。「計画ならある。心配しないでほしい。決して狂気ではないよ」


クリス・ロバーツ◎ゲーム制作会社「クラウド・インペリアム・ゲームズ」共同創業者。10代でプログラミングを始め、英国放送協会のコンピュータ機器「BBCマイクロ」向けにゲームを開発。渡米後、オリジン・システムズ社で『ウィングコマンダー』などのヒット作を連発した。自身のゲーム会社の立ち上げやハリウッド映画の製作を経て現職。

文=マット・ペレス & ネイサン・ヴァルディ 写真=イーサン・パインズ

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