旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」

8月9日〜11日に開催されたフローフェスティバル(Konstantin Kondrukhov / Flow Festival)

国連の関連機関であるSDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)が毎年発表している「世界幸福度ランキング」で、今年第1位となり、世界の関心を集めているフィンランド。2019年は、フィンランドと日本の国交100周年の年でもあり、日本でも注目度や関心度が高まっている。

日照時間が長く、暑過ぎず快適な夏を過ごせるフィンランドのヘルシンキに、筆者は8月上旬から9月上旬まで約6週間滞在し、さまざまなクリエイティブイベントに参加した。イベントの共通点は「ブティック型」。大規模過ぎず、主催者と参加者がお互い顔の見える距離で参加するタイプのイベントだ。


夏のフィンランド

世代を超えたアットホームな音楽フェス

毎年8月に開催される「Flow Festival(通称フロー)」が、今年も8月9日〜11日の3日間にわたって開催された。フローでは、国際的な音楽、アート、食といった文化を、北欧的なライフスタイルの文脈の中で体感できる。



主催者のこだわりが感じられ、参加するアーティストのジャンルや認知度にも幅がある。いわゆる音楽フェスの雰囲気はありつつも、よりゆったりと自分なりのスタイルで楽しめる、大人向けアミューズメント・パークのようなフェスティバルだ。

フローはアクセスのいいイベントでもあり、公共交通機関や自転車を使えば、ヘルシンキ中央駅から10分程度で会場に着く。そこは、以前は発電所などが稼働していた工業地帯で、フローはその地域の再活性化にもひと役買っている。

通常は殺風景な元工業地帯の一角は、ヘルシンキの隣町エスポーにあるアールト大学で建築やデザインを学ぶ学生や、ローカルブランドを中心としたスポンサー企業などが、フローのディレクションの元、アーティスティックな装飾を仕掛け、クリエイティブな空間に変貌を遂げていた。大小さまざまな11のステージや空間が設けられ、音楽、パフォーマンス、インスタレーション、映画などが繰り広げられる。


(c) Kuva: Riikka Vaahtera

運営事務局の広報責任者、スザンナ・フルッコネン(Susanna Hulkkonen)にインタビューしたところ、英語の「intimate」というキーワードが繰り返された。直訳すると「親密」という意味。フローのチームが重要視しているのは、主催者と参加者の距離感のようだ。

フローの3日間の累計参加者は8万3000人と、フィンランドにおいては大規模なフェスティバルだが、「(主催者と)同じような感覚やテイストを持った人、何か新しい体験を求めているような人をターゲットにしている」とフルッコネンは説明する。チケットは基本的に事前に完売してしまう。

小規模のアリーナ状の会場や、DJパフォーマンスが行われる会場では、アーティストとの距離感がとても近い。一方、会場全体にはパレットを活用した椅子やブランコ式のものなど、多様なシーティングスペースが設けられ、音楽に耳を傾けながら友人や家族とピクニックをして過ごすこともできる。若者だけが盛り上がるイベントというよりは、世代を超えた参加者が自分のペースで参加できるアットホームなフェスだ。

文=MAKI NAKATA

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