香港のビリオネア李嘉誠、「地元経済支援」に140億円を寄付

香港のビリオネア 李嘉誠 by Gettyimages

香港で最も裕福な人物である李嘉誠が、香港の中小企業支援に向け1億2800万ドル(約137億円)の寄付を行うことが明らかになった。李が運営する慈善基金「李嘉誠基金会」は寄付の目的を「世界経済の減速や、香港経済が直面する課題の解決に向けての支援」としている。

香港特区政府は既に20億香港ドルの中小企業向け支援金を用意しており、李は香港政府の動きをサポートしていくと述べた。

李の今回の取り組みは、彼の香港デモについての発言が強い批判を受けた後のことだ。彼は9月に、中国当局と香港政府に対し、デモに参加する若者らに寛大な態度で接してほしいと訴えていた。しかし、中国共産党は李が「犯罪を放任している」と非難し、政府系メディアの人民日報も彼に対する批判を展開した。

人民日報はウェイボー(微博)の投稿で、「中国政府は香港の住宅問題を解決するために、不動産業者から土地を取り上げるべきだ」と、暗に李を非難する主張を展開した。

フォーブスは李の保有資産総額を271億ドルと試算している。李は香港最大のコングロマリット長江和記実業(CKハチソンホールディングス)の元会長として知られている。米中の貿易摩擦や香港のデモの影響で、香港のGDP成長率は今年第2四半期に0.6%に留まった。

香港の地元企業は抗議活動の高まりと、政治的混乱の中で不安的な状況に置かれている。香港政府は10月4日、デモの参加者のマスク着用を禁止する緊急法を発動したが、その後、この措置に反発するさらに激しい抗議デモが発生した。

編集=上田裕資

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