・有給育児休暇
有給育児休暇は、男女両方の親が享受できる制度だが、利用する人の大半は女性だ。マーサーの2018年の調査によると、有給育児休暇を提供する会社は15年の24%から18年には40%まで上昇しているが、それでも従業員側は育児休暇取得に消極的だ。米国の働く女性たちは、昨年付与された家族休暇の52%しか取得しておらず、この割合は男性では32%にとどまった。
シトリックスのキンメルCPOによると、同社は女性従業員のニーズに合わせて育児休暇を変更したという。「当社は、世界中の従業員に18週間の育児休暇を与えている。ほとんどの企業はこうした福利厚生を、母親のみに限定しているが、当社は女性従業員のフィードバックに基づき、父親や子を持つ同性カップル、法的保護者も含めるよう制度を改定し、大きな好評を得た」
・社内の保育施設
会社の社内または近隣の保育施設は、子どもを持つ従業員を引き付けたいなら当然の施策であるようにも思えるが、興味深いことにこうした福利厚生を提供する企業の数は実際には減っている。米人材マネジメント協会の2016年の報告書によると、会社が出資する保育施設を利用できる企業はわずか2%で、1996年の9%から劇的に減った。
その理由は何だろう? 同協会によると、職場の保育サービスの恩恵を受けられるのは自宅保育よりも保育施設の方が適した年齢層にある子どもを持つ従業員であり、その数は比較的少ないことが理由だ。
・平等な機会
企業が女性社員を集める上で非常に有効な特典はもちろん、給与や昇進での男女平等だ。優秀な女性人材は、女性の才能を認めず、男性と同等の給料や昇進の機会を与えない企業では働こうとしない。そのため、最高の女性人材を雇いたい企業は女性の興味を引く福利厚生を提供するだけでなく、未経験者向けポジションから経営幹部まで、すべての段階で男女平等に真剣に取り組んでいることを示さなければならない。