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米国では現在、大卒労働者の過半数を女性が占めており、これは働く女性全員にとって良いことだ。女性の人材を引きつけ維持したい雇用主は、女性従業員にとって重要なことについに耳を傾け始めている。柔軟な勤務スケジュールから卵子凍結保存まで、雇用主は女性が仕事に求める福利厚生の提供を始めているのだ。

米国で女性の学位取得者の数が男性を超えたのは1980年代で、現在は学士号の57%を女性が取得している(この数字は過去20年間、比較的一定に保たれている)。米国で大学教育を受けた労働者の中の女性の割合は、ここ数年は約49%前後を推移していたが、米シンクタンクのピュー研究所によると現在は50.2%となっている。

企業は、優秀な従業員を集めて維持したければ女性従業員のニーズに応えることが必要だと気づき始めている。では、女性はどんな福利厚生を職場に求めているのだろう?

・柔軟な勤務スケジュール

女性は通常、育児の大部分を担っているため、その多くが柔軟な勤務環境を望んでいる。育児と仕事を両立しようとする人は多く、勤務時間や勤務場所の柔軟性は女性にとって特に重要だ。米人材マネジメント協会(SHRM)によると、在宅勤務や柔軟な勤務時間を許可する企業はここ10年ほどで増えていて、大半の企業が従業員に何らかの柔軟性を提供している。

テクノロジー企業シトリックスは有能な女性人材の採用・維持に向け、福利厚生パッケージを変革した。同社のドナ・キンメル最高人材責任者(CPO)は、女性従業員にとって柔軟性は重要だと説明。「当社が報酬パッケージに欠かせないと考えていることの一つは、どこでもいつでも働けること。当社では遠隔勤務や柔軟な勤務形態を通してこれを実現している」「当社の女性従業員の多くは、企業文化のこうした側面が、給料や有給休暇などの従来型の報酬要素より重要だと指摘している」と述べている。

・卵子の凍結保存

柔軟なスケジュールは性別に関わらず役立つものだが、女性だけに提供される福利厚生としては、卵子凍結保存がある。女性向け企業の口コミ評価サイト「インハーサイト(InHerSight)」が779人の女性を対象とし実施したアンケート調査では、ほぼ5人に1人(18%)の女性が、キャリアのため卵子の凍結保存を考えたことがあると回答した。一方で、実際に卵子を凍結保存する女性の数は0.3%ほどと、はるかに低かった。これは費用の高さが原因だろう。卵子凍結・保管・解凍・着床の推定費用は1万5000ドル(約1600万円)を超える。

雇用主が提供する医療保険に関し人事コンサル企業マーサーが実施した調査によると、こうした女性人材を獲得するため卵子凍結保存の福利厚生を提供する大企業の数は、2015年の6%から18年には約3倍の17%まで増えた。まだ一般的ではないものの、雇用主が女性のニーズに応え始めていることを示す素晴らしい兆候だ。

編集=遠藤宗生

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