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グーグルが短編動画アプリの「Firework」の買収を検討中であると10月4日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。Fireworkは大人気の中国製アプリTikTokと同様に短編動画の作成やシェアが行えるアプリだ。

カリフォルニア州レッドウッドシティ本拠のFireworkは、自らを「ソーシャル・モバイルTVの未来を切り拓く企業」と謳っており、今年実施した資金調達で1億ドル(約107億円)の評価を得ていた。中国のテック企業ウェイボー(微博)もFireworkの買収を画策中だが、現状ではグーグルのほうが有利であると伝えられている。

中国のバイトダンスが開発したTikTokは、若者たちを魅了し、世界で最も人気のSNSアプリの一つになった。調査企業SensorTowerのデータによると、TikTokは世界のアプリダウンロードランキングで、2019年第2四半期時点で4位(首位はワッツアップで、2位がメッセンジャー、3位がフェイスブック)に入り、運営元のバイトダンスの評価額は750億ドルとされている。

一方、米国のテック大手はTikTokの成功を模倣しようとしている。フェイスブックは類似アプリのLassoを一部の国で始動させており、スナップチャットもTikTokを意識した機能を盛り込もうとしている。

WSJによると、グーグルがFireworkの買収を企む背景には、ユーチューブの優位性がTikTokに脅かされつつあることがあげられるという。最近ではユーチューブの人気クリエーターが、TikTokに流出する動きも起きており、TikTok発のスターも生まれている。

世界中のユーチューバーが集う動画配信サービスのイベント「VidCon」では今年、TikTokが送り出したクリエーターらが話題を独占した。Fireworkの買収交渉には、ユーチューブの幹部らも加わっているという。

TikTokは現時点ではクリエーターに報酬を支払っていないが、グーグルは新たな短編動画プラットフォームで、ロイヤリティを用意する可能性もある。さらに、グーグルの強みと言えるのが、Fireworkの知名度を一気に世界レベルに引き上げられる点だ。ただし、グーグルがブロックされている中国では、今後もTikTokの優位性に変化はないだろう。

編集=上田裕資

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