#MeTooの思わぬ余波 女性採用を嫌う傾向、米調査で判明

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#MeToo運動により悪影響を受けた職場では、女性採用に対するためらい以外にもさまざまなことが起きる。非営利組織リーンイン・ドットオーグ(LeanIn.org)とインターネット調査企業サーベイモンキーが今年春に実施した調査では、なんと60%もの男性管理職が、メンタリングや2人きりでの作業、交流など一般的な仕事に関する活動に女性と参加することに対して居心地の悪さを感じていることが明らかになった。またピュー研究所の調査では、#MeToo運動により仕事での異性との交流が難しくなったと感じている従業員は51%に上った。

ただ、異性との交流に対する抵抗感が全て#MeToo運動の影響だとは言えない。#MeToo運動が起きる前に米紙ニューヨーク・タイムズが行った調査では、男性の22%が女性との一対一のミーティングを嫌っていた。しかし、#MeTooにより状況が悪化していることは確かなようだ。

#MeToo運動は全体として、職場での深刻な問題についての意識を向上させる上で非常に大きな成果を収めた。今回の調査でも、#MeTooの結果として、性別にかかわらず多数の従業員がハラスメント行為について声を上げやすくなったことが分かっている。

それでも、#MeToo運動の意図せぬ悪影響は実在しており、女性のキャリアに深刻な打撃を与える前に対処する必要がある。男性と女性は、職場での適切な境界線を保ちつつプロフェッショナルな友情やメンター関係を築くことができるし、一緒に出張もできることに気づかなければならない。それが、女性が職場で男性と対等な立場になれる唯一の方法となる。

編集=遠藤宗生

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