スレッズでのやりとりは、インスタグラム上の「親しい友だち」リストに登録した相手のみに限定される。この機能を通じ、フェイスブックは各ユーザーの最も大切な友人が誰であるかのデータを入手する。同社は現時点では、スレッズのマネタイズ計画を持たないというが、当然ながらこの方針は時間をかけて変化していくだろう。
スレッズはスナップチャットと同様に、スマホのカメラと連動し、写真や動画に様々なエフェクトを加えてシェアできる。イメージデータは特定の相手やグループに送信できる。
スレッドのユニークな機能の一つが、友達のプロフィール写真をカメラのシャッターボタンに設定できる点だ。これにより、イメージの送信が直感的に行える。さらに「ステータス」と呼ばれる機能もあり、現在の状況(カフェにいる、家にいるなど)を、絵文字入りの短いフレーズでシェアできる。
さらに、スナップチャットのSnap Mapsに似た、GPS情報を用いたステータスの自動アップデート機能も備えている。スレッズは実際の位置情報をシェアすることはなく、親しい友だちリストに登録された相手だけがステータスを確認できる。
スレッズが競合のスナップチャットを意識したアプリであることは明らかだ。フェイスブックとスナップチャット運営元のスナップは、若手ユーザーの獲得を巡り、長年のライバル関係にある。米国のピュー研究所の最近の調査で、18〜24歳の米国人は25〜29歳の年齢層に比べ、インスタグラムよりもスナップチャットの利用率が大幅に高いことが明かされていた。
フェイスブックは米国で最も人気のSNSであり、成人の10人中7人が利用中とのデータもある。しかし、13〜17歳の年齢層でフェイスブックを使うと答えたのは51%に留まっており、ユーチューブやインスタグラム、スナップチャットよりも大幅に低いとピュー研究所は述べている。
FBの株価は上昇
フェイスブックはこれまでに幾度も、競合のスナップチャットの機能をパクってきたが、これが法的問題に発展する可能性もある。スナップはFTC(米連邦取引委員会)に対し、フェイスブックが同社のビジネスを抑え込むために講じた施策についてまとめた書類を提出したと、9月23日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じていた。
この書類はスナップ社内で「ハリー・ポッター」に登場する宿敵の名を冠し、「プロジェクト・ヴォルデモート」と呼ばれているという。
フェイスブックは、現在4つの独禁法違反の疑いで調査を受けている。FTCだけでなく米司法省や米連邦議会、複数の州の司法長官らのグループがフェイスブックに対する調査を進めている。
フェイスブックの広報担当はフォーブスの取材に次のように述べた。「当社はSNSやメッセージング、広告ビジネスなどの複数の領域で、厳しい競争に直面しているが、新たなプロダクトやサービスを送り出す上で重視しているのは、それらが人々にとって有用なものであるかどうかだ」
スレッズの立ち上げのニュースを受けて、フェイスブックの株価は約1.45%の上昇となった。一方、スナップの株価は4.73%の下落となった。