翌2017年には「NewsPicks」の米国進出に伴い、Dow Jones社との合弁会社をニューヨークに設立するなど、グローバル展開にも力を入れている。今回は、同社の代表取締役・梅田優祐氏に起業家の素養や「NewsPicks」開発秘話などについて聞いた。(全6話)※本記事は2017年4月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。
才能を最大限発揮させる自由主義組織
──「『1から100』にしていくフェーズでは、仲間の力を借りていく必要がある」とおっしゃっていましたが、「1から100」にするための仲間を増やす際に重要なポイントはありますでしょうか?
まずは、最高の才能を集めることです。次に、その才能を100%以上発揮できる環境を作ることです。ポイントは、この2つしかありません。
ユーザベースでは、最大限に才能を発揮できる環境として、自由主義という文化をすごく大切にしています。
──とはいえ、自由すぎる組織ではまとまりがなくなってしまいますよね。良いバランスの自由主義を保つために、どのような環境作りをされていますか?
自由は責任とセットです。責任を負えることを大前提として自由にしているのです。
そのためには、「何を作りたいのか、何を解決したいのか」という大きなビジョンを共有する必要があります。どのようにビジョンにたどり着くかは、メンバーの自由です。達成するために才能をフルに発揮してもらうのです。
今の「NewsPicks」は私の手から離れて来ており、佐々木(ニューズピックス 取締役CCO 佐々木紀彦氏)だったり、杉浦(ニューズピックス 取締役CTO 杉浦正明氏)だったり、他のメンバーが勝手にどんどん創造してくれています。
メンバーそれぞれが自ら考え、自ら動く
──メンバーの自立性があるからこそ、事業を成し遂げられているのですね。
その通りです。
組織作りに関しては、以前、私が勤めていたCDI(戦略系コンサルティングファーム)のファウンダーから聞いた日本最古のお寺を再建するプロジェクトの話が一つの理想として頭の中にあります。このプロジェクトは、予定よりも早く、非常に高いクオリティでお寺を完成させることができました。