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「独身の日」ショッピングフェスティバルでのTモール売上を示す巨大スクリーン(zhangjin_net / Shutterstock.com)

世界最大のEコマースの祭典と呼ばれる中国の「独身の日」の開催まで、あと1カ月少々となった。11月11日に開催されるこのイベントは、1990年代に南京大学の学生らが、恋人のいない人のための集まりを1が4つ並ぶ日に開いたのがルーツとされている。

昨年の独身の日にアリババは1日で308億ドル(約3兆5110億円)を売り上げ、過去最高を記録した。米国のブラックフライデーやサイバーマンデーを超える規模に成長した独身の日は今や、各国のセレブが会場に集うグローバルイベントに成長した。

ここでは今年の11月11日のイベントの注目ポイントを明らかにしたい。まず特筆したいのが、アリババの新CEOのダニエル・チャンが今年の独身の日で重視する指標として、取引額よりもユーザーの滞在時間を挙げている事だ。

アリババは7億3000万人の中国人ユーザーを抱えているが、顧客の多くはTモールやアリペイ、食品スーパーのHema(盒馬鮮生)などの同社のサービスの一部のみを利用している。つまり、今後の同社の課題はアリババのエコシステム全体に、顧客を循環させることとなる。プラットフォーム全体の滞在時間時間を伸ばすことを、アリババは目標としている。

次にあげられるのが、アリババの事業の海外拡大だ。同社は東南アジアのLazadaやアリエクスプレス(AliExpress)の販売チャネルを通じ、B2C事業をグローバルに広げようとしている。アリババは既に1億3000万人の顧客を中国以外で獲得している。

ここで興味深いのは、当初は「中国から世界へ」という目標を掲げていたアリエクスプレスが、今ではスペインや米国など世界各国の売り手が参加可能なプラットフォームに成長した点だ。アリババはグローバルなマーケットプレイスへの進化を遂げようとしている。

今年の独身の日は、ジャック・マーが経営を退いてから初めての年としても意義深い。新たにCEOに就任したダニエル・チャンや、彼のチームがどのような新戦略を打ち出すかにも注目したい。

一方で気になるのは、米中の経済摩擦が今年の独身の日にどのような影響をもたらすかだ。しかし、関税の引き上げや米中の緊張の高まりの中にあっても、米国ブランドの中国消費者へのアピール力は、以前と変わらず高いレベルにある。今年も多くの米国企業が、空前の売上を記録しそうだ。

もう一つの注目ポイントが、アリババの主導で実施される各国のブランドとのコラボだ。アリババは様々なツールを海外企業に提供し、中国でのマーケティングを支援しており、今年も新たなトレンドが生まれそうだ。

一方で、アリババに次いで中国で第2位の勢力を誇る、JD.comの動きにも注目したい。JDのシェアはアリババよりは少ないが、家電製品などのカテゴリではアリババを上回るシェアを誇っている。

編集=上田裕資

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