外国人旅行者が帰国後に懐かしむ日本(番外編)

日本を訪れる旅行者が離日後に懐かしく思うこと、「日本滞在中に存分に楽しんでおけよ」と同胞旅行者たちに伝えたいことは何だろう。もしかするとそこに、われわれがもっと愛でながら暮らしてもいい、わが国のささやかな魅力が潜んでいるかもしれない。

外国人向けメディア「Japan Inside」の外国人記者によるリスト(その1 その2その3)に続き、今回はForbes JAPAN編集部の独自取材による「番外編」。日本に暮らす、あるいは旅行で訪れた外国人のほか、海外在住の日本人や、京都などで外国人旅行者向けの仕事に携わる日本人に聞いてみた。

1. 温かい飲み物が出てくる自販機


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日本の自動販売機は、温かい(あるいは冷たい)飲み物が出てくるので本当にすごい、という。

また、ある日本在住の外国人は「たとえば地方の水田のどまん中に自販機があることもあって、それが壊されたり落書きをされたりしないでいい状態なのはすごいこと」ととも。

2. 「写真入り」のメニュー


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たいていのレストランのメニューには写真がついている。イタリアからの旅行者に聞いたところ、「初めて食べるものでもイメージが浮かぶし、ボリュームの検討がつくのですごく助かる」とのこと。

3. スーツケースがきちんと並んで流れてくる空港の荷物受け取り所


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日本駐在の長いある米国人が、故郷のラスベガスに帰省後、再び日本入りするたび、「ああ、日本に帰って来たなあ」と感じるのは成田空港の荷物受け取り所だという。成田空港。係官がスーツケースやボストンバッグを1つずつ整然と並べてベルトコンベアに置いていく。「荷物が次々と力任せに投げ飛ばされてベルトの上に『着地』するのが普通の故郷の空港では望めないありがたさです」。 

4. 小さな調味料



ぜったいに日本にしかない、お弁当用の小さな醤油やマヨネーズ。お土産に大量に購入していく外国人旅行者も多いとか。

5. 100均


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「日本の百円ショップはすごい」。と、日本に住んで2年のドイツ人、Aさん。おたまなどキッチン用品からアウトドアグッズ、防災用品、文房具ひと通り、調味料や食料品など、「ほとんどこのショップだけで暮らせますよね」。


6. 国民健康保険


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カナダに2年半暮らしている日本人のBさんはこう語ってくれた。「帰国して一番感じるのは日本の国民健康保険のすばらしさです。カナダは無料であることを誇りにしている人がたくさんいましたが、病院で5時間とか待たされるのがふつうだったり、希望の先生に診てもらえなかったり。3割負担しても、待ち時間がない方がいいなと思います。X線など特殊なものは自己負担だったりしますし」。

アメリカに5年暮らす日本人のCさんも「日本の国民健康保険はすごくいい」と言う。「アメリカでは、大病をして保険に入っていないと全財産失ってしまう可能性がありますね」。

フランスに7年暮らす日本人のDさんもこう語る。「懐かしく思うのは日本の医療制度です。医療費が国の保険でほぼまかなわれるし、検査から診察まで同じところでワンストップでできますが、主治医制なので時間がやたらとかかるのが悩ましいです」。

文・構成=石井節子

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