台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

Emanuele Cremaschi / Getty Images

台湾の電動スクータースタートアップ「ゴゴロ(Gogoro)」は、設立から8年で16万台以上のスクーターを販売した。同社の台湾におけるバッテリー交換所のシェアは97%に達し、ヤマハを含むスクーターメーカー3社と業務提携を結んでいる。

環境にやさしい製品で、ゴゴロはスクーター大国の台湾において電動スクーター業界のリーダーとなった。しかし、そのゴゴロに強力なライバルが出現した。その企業とは、55年の歴史を持つガソリンエンジンバイクのメーカー、「キムコ(Kymco)」だ。

キムコは年間1000万台のバイクを販売し、年商は10億ドルを超える。同社は昨年、東京モーターサイクルショーにおいて、今後3年で50万台の電動スクーターを販売する計画を打ち出した。同社はバッテリー充電ネットワークを20ヶ国で展開する計画だと報じられている。

電動スクーターは、ガソリンエンジンのスクーターに比べて価格が高く、電池切れになるリスクもある。しかし、消費者は電動スクーターへの関心を高めている。こうした中、ゴゴロとキムコの競争も激しさを増している。

ゴゴロの共同創業者で米国籍のHorace Lukeは、台湾のスマホメーカー「HTC」でチーフ・イノベーション・オフィサーを務めた経歴を持つ。ゴゴロ製電動スクーターの価格は約2900ドルと、ガソリンエンジンのスクーターの倍以上であるにも関わらず、多くの消費者に支持されている。同社はヤマハに加え、台湾のスクーターメーカー「Aeonmotor」と「PGO Motive Power」と提携し、年内にニューモデルをリリースする予定だ。

Lukeはインタビューの中で、米国のチップメーカー「インテル」のスローガンになぞらえ、「我々は“ゴゴロインサイド”だ」と述べている。一方でキムコは、販売量と展開地域の多さでゴゴロを上回ろうとしている。

ゴゴロの強みは「バッテリー交換所」

バンクーバーに本拠を置くNavigant Researchのアナリスト、Ryan Citronはキムコが50万台を販売するために10モデルを投入すると予測する。同社は、昨年インドのスタートアップ「Twenty Two Motors」に6500万ドルを出資しており、インド市場での販売も強化する予定だ。

ゴゴロは、現状で台湾でしか電動スクーターを販売していない。しかし、広報担当者によると、欧州のパートナー企業「Coup」がゴゴロ製スクーターを使ったシェアリングサービスを展開しており、欧州で約6000人のユーザーを獲得しているという。また、韓国のパートナー企業が配達サービスを手掛ける企業にゴゴロ製スクーターを販売しているという。

キムコとゴゴロは、優れた充電ネットワークの構築でも争っている。Citronによると、バッテリーの航続距離は通常30〜50kmと短く、電動スクーターの購入を思いとどまる消費者も少なくないという。

キムコの「アイオネックス(Ionex)」バッテリーを搭載したスクーターの場合、バッテリー充電中でもバックアップバッテリーで走行可能で、メインバッテリーは約1時間で充電が完了する。

一方、ゴゴロはバッテリー交換システムを採用している。同社は台湾政府と組んでロードサイドにバッテリー交換所を整備し、ユーザーは古いバッテリーを置いて新しいバッテリーを装着することができる。バッテリー交換所は平均2〜5kmごとに設置されており、台湾全土に1300ヶ所以上ある。今後は、ヤマハやPGO、Aeonmotorの電動スクーターもゴゴロのバッテリー交換所を利用できるようになる。

編集=上田裕資

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