キャリア・教育

2019.10.02 12:00

ラブリと白濱イズミの関係性。彼女が「社会派インフルエンサー」と言われる訳

白濱イズミ


2016年9月、モデルのスタイルブックではなく、初めて写真詩集「愛は愛に愛で愛を」(宝島社)を出版した。17年11月には、本名を公表。もともとのラブリという名前は、クリスチャンネームだったが、本名は白濱愛と書いて、イズミと読む。
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言葉の表現活動をする際には、白濱イズミの名を使う。他の作家への敬意もあるという。「自分の言葉に責任を持って、ラブリという名前は一切関係なく、表現している意思表示のひとつ」だそうだ。

「余白を作ってあげないと、新しいものは入ってこないと思います。失うことで、いつか新しい何かが見つかると信じているんですよ」



SNS上で感じるフラストレーションを個展に

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今年夏には、2回目の個展「私とデジタルの関係、私はどうやら数字らしい」を東京・中目黒で開催した。「インスタグラムでは数字によって、自分自身の存在価値が決まるような気がして、フラストレーションを感じていた」という白濱。自身のインスタグラムに投稿した写真を床一面に、「いいね」の数が多い順にぎっしりと並べた。

この個展の着想は、パリへ旅をした時のこと。10日間の旅では、SNSから距離を置き、普段のように思い浮かんだ言葉を書き留めることもやめた。表現者として「興味のない人にどう興味を持ってもらうか?」などと考えることもなく、「表現を頑張ろうとすること自体をやめたんです」。

何も考えないことは、最初は楽だったが、自身を空っぽにする状況は、自分がいなくなってしまうように感じ、徐々に寂しくなっていった。言葉を書こうとする自分にも苛立ったが、帰りの飛行機でこの展示について思いついたという。

会期中には、個展会場でイベントを開くことにもなった。さまざまな社会問題を動画で配信する芸人で、ユーチューバーとしても知られる「せやろがいおじさん」とともに選挙について考えるトークライブだ。参議院議員選挙前の7月21日、選挙と政治、これからの社会について語ることになり、数日前の告知にも関わらず50人が会場に駆けつけた。

「私は言葉の力を信じているし、それは社会に繋がっていると思う」。政治家を意識しているわけではない。彼女の発信や行動の裏側にあるのは、「社会がより良い方になれば良い」という思いだけだ。
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文=督あかり 写真=柴崎まどか

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