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2019.10.01 16:30

自分の「欲しい」思いが生み出した、「NewsPicks」誕生秘話|ユーザベース 梅田優祐

ユーザベース 梅田優祐

ユーザベース 梅田優祐

企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」を提供しているユーザベース。「経済情報で、世界をかえる」をミッションとし、2008年創業でありながら、2013年に上海・香港・シンガポールに拠点を開設し、2016年にはスリランカにリサーチ拠点を開設した。

翌2017年には「NewsPicks」の米国進出に伴い、Dow Jones社との合弁会社をニューヨークに設立するなど、グローバル展開にも力を入れている。今回は、同社の代表取締役・梅田優祐氏に起業家の素養や「NewsPicks」開発秘話などについて聞いた。(全6話)※本記事は2017年4月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。

0から1を生み出す、シンプルな判断基準

──新野さん(ユーザベース取締役 新野良介氏)が、梅田さんのことを 「日本有数のイノベーター」とおっしゃっていました。新しい事業を生み出す際に気をつけていることはありますか?

私の場合は、自分が喉から手が出るほど欲しいモノか、泣いて喜ぶほど欲しいモノかどうかという基準だけにしたがって新規事業の可否を決めます。非常にシンプルです。最初のアイデアを考えるときは、あえて人の意見は聞かないようにしていますし、マーケティング調査もしません。

「1から100」にしていくフェーズでは仲間の力を借りていく必要がありますが、「0から1」を生み出すフェーズではまずは尖らなくてはいけないので自分の考えだけで進める。これが、持論です。

人に聞くと、様々な意見が出てきます。また、思いつきの意見であることも多い。当事者である自分自身が一番熱量高く考えているので、同じくらい人生をかけて考える人はほとんどいないと言っても過言ではありません。そのため、自分と同じレベルで他人の話を受けとめてはいけません。

みんなの意見を合わせていくと、「この機能も入れよう」「これも大事ではないか」などと、作りたいモノにエッジがなくなっていきます。はじめは尖っていたモノが、だんだん削られて丸くなってしまうのです。

だから、私はあえて他人には相談せず、自分が欲しいモノかとどうかの一点に常に向き合っています。


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文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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