小橋賢児が「東京2020NIPPONフェスティバル」で実現したいこと

守屋 美佳
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ニューヨークプライドパレード2019にともに参加したふたり

「何でもありは、何にもなし」

杉山:自分がマジョリティだと思い込んでいる人も、たとえば今日にでも怪我をして車椅子に乗る可能性は常にあります。だから「多様性はみんなの話、自分の話」だということになる。

車椅子に乗ってから気づくのか、乗る前から気づいて、明日の自分のために、明日の自分の大切な人のために準備しておくのか。

小橋:当事者にならないと難しいですよね。

僕自身、子育て環境の厳しさは自分に子供が生まれるまで気づかなかったし、LGBTの問題でも、自分の40歳のバースデイパーティーを開いたとき、会費を男性7000円・女性4000円に設定したら友達から「違和感がある」と苦情をもらって、ハッとしました。

杉山:実際にはすごくたくさん食べる女性もいれば、一杯しか飲まない男性もいますよね。収入だって男女という理由だけではなかなかわけれない。

それに、見た目がおじさんで戸籍上は女性という僕のような人間は入り口で男女と分けられてしまうとどうしていいかわからない時もあります。男女で分けるんじゃなく、「たくさん食べたり呑んだりする人は7000円、そうじゃない人は4000円」として、自己申告制にすればよかったかもですね。

小橋:それ、いいですね。

杉山:イベントを開催する側の僕としてもすごく悩んでいるところがあります。

ダイバーシティを目指すイベントといっても、多様性を尊重しすぎると今度はイベントとしてまとまらなくなるでしょう、「何でもありは何にもなし」で。「オール・インクルーシブでありながらエッジの立つイベント」というのは、どうすればできると考えてますか?

小橋:参加者の興味を一点に集中していけば、参加する人のダイバーシティというのは、わざわざ言い立てなくてもいいことになっていくんだと思っています。

障がいのある人も高齢者もLGBTも、同じ興味を持つ人なら集まるのが当たり前。ダイバーシティという言葉が騒がれなくなるのが究極でしょうね。

杉山:なるほど。
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構成=岡田浩之 写真=藤井さおり

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