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2019.10.01

人々が触れると、ロゴがインタラクティブに変化。チームラボがdipの新たなロゴに込めた思い

(左)ディップ代表取締役社長兼CEOの冨田英揮 (右)チームラボ代表の猪子寿之


時代を変える人にコーポレートロゴの制作をお願いしたい

冨田とチームラボ代表の猪子寿之は10年ほど前から関係性がある。もともと冨田がチームラボの手がける作品の大ファンでもあったことから、「コーポレートロゴをチームラボさんにお願いできたら」と考えていたという。

引き受けてくれる確証はなかったが、冨田は猪子にLINEを通じてダメ元でお願いしてみることにした。

「猪子さんには当社がAI・RPAを活用したサービスの提供を開始したこと、そして今後目指していく方向性を伝えた上でお願いをしました」(冨田)

その文章を読んだ猪子からの返信は「おお、なんかすごそうですね」というものだった、と冨田は振り返る。そこから数回、会話が行われ、コーポレートロゴおよびコーポレートサイトの刷新について具体的に話が進んでいったという。

ジャスティン・ビーバーやキム・カーダシアン、カニエ・ウェスト夫妻など海外セレブが訪れる東京の新名所となっているお台場の、地図のないミュージアム「チームラボボーダレス」、そして豊洲の、水に入るミュージアム「チームラボプラネッツ」など国内外で展覧会を開催し、今でこそその名を知らぬ人はいないほどの知名度を誇るチームラボだが、数年前は知っている人の方が少なかった。

2016年、徳島県で開催した「teamLab Music Festival」では集客に苦労した。「ミュージシャンのいない新しい実験的なミュージックフェスをどうしても開催したかったけど、全然人が集まらず……。散々たる結果だった」と猪子は当時を振り返る。

それを東京でも展開し、2017年夏に渋谷ヒカリエで、光のアートに包まれる参加没入型ミュージックフェスティバル『チームラボジャングル』を開催した。ディップは同イベントのスポンサーになり、チームラボを支援した。

「すごい実験的で意味のわからないようなイベントのスポンサーになってくれた。ロゴの依頼に対して最初は驚きましたが、前からディップさんは僕たちのことを支援してくれているので、冨田さんのお願いであれば、と思い、コーポレートロゴの制作を引き受けました」(猪子)
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文=本多カツヒロ 写真=小田駿一

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