外国人が「もう一度泊まろう」と誓う日本のホテル6選

ホテルキーフォレスト北杜(小淵沢・山梨県)

海外からの旅行者や、日本長期滞在外国人向けのメディア「InsideJapanTours.com」の外国人記者が、外国人たちに取材して選んだ「日本の6つのホテル」を紹介している。同サイトの全面協力のもと、一挙公開する。


スタイルとデザインに関して言えば、日本を超えて先を見る必要はない。伝統に裏打ちされた禅スタイルのすっきりしたラインが特徴的な、シンプルかつミニマルな美学──建築家とデザイナーは、長年にわたり、日本文化にインスピレーションを求めてきた。それに日本は、安藤忠雄や隈研吾をはじめとする、世界に名だたる建築家を誇る国だ。東京が世界で最も印象的な建物の本拠地であることは、何も驚くことではない。

真のデザイン愛好家にとって、ぜひとも叶えてみたい願いは、こういった素晴らしい建築物に「一泊する」ことだ。うまいぐあいに、日本で超一流の評価を持つ建築家の多くは、ホテルの設計を専門に手がけている。それゆえ日本は、世界でも例をみない個性的なホテルの宝庫であり、その多くが魅力的なバックストーリーを有している。

次回の日本旅行で、唯一無二のユニークな空間で眠りたい人のために、私たちがお勧めする「最高のホテル」を紹介しよう。

1.ベネッセハウス(直島・香川県)



ベネッセハウス パーク(写真:渡邉修)

ベネッセハウスは、おそらく日本で最も有名なデザインホテルだろう。「日本の芸術の島」と称される直島にあり、宿泊施設と美術館が一体になっている。設計は、世界的に有名な日本の建築家である安藤忠雄が手がけ、デザインの基本コンセプトは「自然、建築、アートの共生」だ。

このホテルを「高級ホテル」に分類するのは気がひけるが、純粋に美学の観点から言って、そのカテゴリに入る条件がすべて整っている。丘の上に配置することで瀬戸内海の眺望が楽しめると同時に、建物自体が視界の邪魔にならないための配慮として、地面に沈み込ませる設計になっている。

建物のいたるところが、美しい白塗りの壁に収められた素晴らしいアートが映えるように設計されている。床から天井までの窓と大きなアトリウムがあり、自然光がたっぷりと入り、室内と屋外が継ぎ目なく融合している。

ベネッセハウスの敷地は年数と共に拡張しているが、最初にできた宿泊施設は美術館の中にあり、いたるところに、そのことを思い出させる「仕掛け」がある。フロントはチケット販売デスクを兼ね、各部屋にオリジナルのアート作品が飾られている。ここはまさしく美術館だ! 世界レベルの美術館に宿泊するなんて、申し分なく「クール」だ。とりわけ「クリエイティブ好き」な人には、たまらないだろう。夜中にパジャマ姿でギャラリーを歩き回れる場所など、他にあるだろうか?

間違いなく、個々では日本のどこよりも独創的なホテル体験ができる。いや、世界を探してもこんなホテルはないだろう。
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翻訳=鹿田昌美 編集=石井節子

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