外国人が「もう一度泊まろう」と誓う日本のホテル6選

ホテルキーフォレスト北杜(小淵沢・山梨県)


4. ガーデンテラス長崎(長崎市・長崎県)



ガーデンテラス長崎

「最先端のデザインホテル」の代表格であり、2010年に「建築九州賞 一般建築部門 作品賞」を受賞したこのホテルも、隈研吾の作品だ。イギリスのデザイン情報サイト「Dezeen」の評価も高い。このホテルもまた、隈の独特のスタイルの特徴のすべてを有している。インパクトのある外観の建造物を、軽やかな自然素材で作ることにより、角ばった重厚なデザインに柔らかさが加えられている。

設計は「体積」というコンセプトへの関心から生まれた。本館は基本的に、箱を積み重ねたデザインだ──大きな箱と小さな箱と、構造全体のつなぎがある。正面から見ると窓が小さくて数が少なく、窓と窓との間隔が離れているため、自然光がじゅうぶんに取り込まれるのかと疑問に思うかもしれない。 しかし建物は、外からの自然光を取り入れて、裏側の湾を見下ろす広大な眺望に向けて放つように設計されている。

2015年、隈はガーデンテラスに舞い戻り、ホテルの別館を建てた(ロイヤルテラス)。建物には意図的に非対称になった三角形の屋根があり、一見すると、オリジナルのコンセプトから驚くほど離れているように思える。本館のこだわりは、すべてを四辺形にすることだった──それとも、違うのか? よく観察すると、「三角形」が見えてくる。建物の内側に切り込んだ屋根の三角形、正面のバルコニーから見える三角形。 私に言わせれば、このホテルには建築とデザインの美しさのすべてが集約されている。表面的にはシンプルでありながら、見れば見るほど複雑に作りこまれているのだ。

そして、泊まってみた感想は? ご想像のとおり、部屋はとてもモダンで、光が降り注ぐ明るいバルコニーからは、誰もがうらやむような景色が最大限に楽しめる。「図形」と「立体」はテーマとして繰り返し現れ、本館の部屋には立方体の家具が、ロイヤルテラス棟の部屋には三角形の家具が置かれている。高級グレードのホテルらしい、品の良いこだわりだ。

5. 尾道U2ホテルサイクル(尾道・広島県)



尾道U2ホテルサイクル

「デザイン」と「サイクリング」に興味がある人にとって、尾道U2よりも魅力的なホテルは他に見つからないだろう。しまなみ海道のサイクルルートのスタート地点にあるしゃれた「自転車ホテル」だ。 サイクリング愛好家のための革命的な複合施設がオープンしたことで、静かな海辺の町は、世界中のデザインと建築愛好家のメッカとして、たちまち注目を浴びることになった。

リストにある他のホテルとは異なり、ここはゼロから設計して作られた建物ではない。海運倉庫を改築して生まれ変わらせたのだ。倉庫は、広大で産業的な雰囲気で、通路が広く、コンクリート・木材・鋼鉄などの機能的で素朴な材質でできており、地域の伝統的な「町家」の特性とは際立った対照をなしている。
次ページ > 「サイクルスルー」チェックイン?

翻訳=鹿田昌美 編集=石井節子

ForbesBrandVoice

人気記事