ビジネス

2019.10.01 07:00

「松下幸之助だったら、どう思うだろう」前田裕二が語る、経営者必須の「最強の剣」

前田裕二


「半歩先」を攻める
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前田のSNSには、蜷川実花氏、堀江貴文氏、サイバーエージェントの藤田晋社長、幻冬舎の見城徹社長といったインフルエンサーとの交友が毎日投稿される。フェイス・トゥ・フェイスで彼らから吸収する言葉の数々は、ビジネスのアイデアに直結する。

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「例えば、秋元康さんと一緒にお話ししていると、SNSやヤフーニュース、ネット記事から掲示板のカキコミに至るまで、世の中で飛び交うあらゆる言葉を貪欲に吸収していることに驚きます。徹底したマーケットインの発想をベースにしつつ、そこに半歩先のクリエイティビティをプロダクトアウト的にブレンドして、AKB48を大きく育ててきたんだなと感じます。つまり、ファンがいま何を考えているかを深く分析したうえで、そこに自分なりのエッセンスを少し振りかけて、半歩先を攻めに行くのです。


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市場の論理と、自身のセンス。このどちらに軸足を置くのか、絶妙なバランスが重要です。100%市場に体重をかけ、マーケットインで何かを生み出すのもよいのですが、それでは、馬車の時代にクルマは生まれないし、ガラケーの時代にiPhoneは生まれません。ガラケーが流行っている、すなわち多機能コミュニケーションツールが必要不可欠となっている市場のニーズや本質を正しく理解したうえで、そこに“ボタンのない電話”というセンスをブレンドする。この絶妙なバランス感覚こそヒットの法則だと、秋元康さんの背中から学びました」

セルフプロデュースのためにSNSをやる人もいるが、前田にとってSNSは一方通行の発信の道具ではない。オーディエンスの生身の息づかいを受信し、新しいビジネスを生み出すための実験場だ。

「企画や事業の成功確率を高めるうえで、SNSは最高のパートナーです。自分が言ったことに対してどんな反応があるのか。Aは拡散されやすいが、BやCはどうやら拡散されにくい。この裏側には、こんな社会変化がありそうだ。テニスボールで壁打ち練習するように、普段からSNSを使って、世の『琴線の在りか』を探っています」
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文=荒井香織、写真=筒井義昭

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#インフルエンサーの研究

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