ジェフ・ベゾスが、ヘッジファンドの上級副社長という高給な仕事を辞めて車庫でアマゾン・ドット・コムを起業したことは有名だ。これは、劇的なリスクを取ることで類まれなキャリアを構築した好例だ。
しかし忘れてはいけないのは、ベゾスがエリート教育と、非常に市場価値が高いスキルという保険を持っていたことだ。また、一文無しとなった場合でも親の世話になることができたほか、両親からは起業に当たり25万ドル（約2700万円）近くの投資を受けていた。つまり、ベゾスはリスクを取っていたが、それは計算されたリスクであり、失敗したとしても挽回できることを事前に知っていたのだ。
難しい任務に挑戦する、現在の職に残る、転職する、学業に戻る、新たな分野に転向する。自営業を始めるなど、キャリアに関する多くの決断はあなたとリスクの関係性によって決まる。しかし、自分に大きな賭けをする準備ができているのか、それとも現在の安全な道に残るべきなのかはどうすれば分かるのだろう？
リスクを取ることはサクセスストーリーの中で華々しく語られるが、一方で現実的になってキャリアや人生で忍耐力を培うことには大きなメリットがある。大事なのは、慎重になるべき時と、大胆になるべき時を見分けることだ。
大きなキャリアチェンジをし、計算されたリスクを取るのに今が適した時期かどうかを知るには、ここに挙げる5つのサインに注意しよう。
1. 退屈のあまり自滅行為をしている
以前には楽しくて刺激的だった仕事も、時間がたてば代わり映えがしなく退屈なものになってしまう。これはどのようなキャリアでも危険な時期だ。
退屈さは、仕事、あるいはプライベートでも特に破壊的な感情の一つだ。仕事に退屈している人は全力を尽くさない。それまで仕事上の強みとなっていた細かい点にあまり気を配らなくなり、能力が鈍ってしまう。また、人に対する気遣いが減り、意図せず、あるいは故意に人間関係を損なってしまうかもしれない。
かつてはポジティブで刺激的だった仕事環境を自らだめにしていると感じたら、安定を捨て、キャリアを新たな方向に動かすリスクを受け入れる時なのかもしれない。
