ビジネス

2019.10.01

サラリーマンでも発信者になれる。企業内インフルエンサーを歓迎せよ

徳力基彦氏(写真=小田駿一)


組織内インフルエンサーを歓迎せよ

今、まだまだ大企業の中では、インフルエンサー的な個人が組織の中に出てきたり、個人がソーシャルメディアでの情報発信をはじめると、「転職するの?」とか、「副業始めるの?」と言って構えたり、リスクと捉えて止めさせたりしようとするケースも多いようです。

従来通り「組織の論理」重視で、個人の発言を一切許さないという選択肢もありますが、でも本当は、組織の中の人たちが、みんなインフルエンサーになり得る時代なんです。もっと背中を押してあげるという選択肢もあると思うんですよね。そこは変わっていくといいなと思っています。

ツイッターの企業アカウントの「中の人」はその一つのシンボルです。「シャープさん」は、やはり企業にとって最強のインフルエンサーと言えると思います。強力なインフルエンサーを社員に1人抱えているという状態です。

一方で、このアプローチを1人ではなく、全員でやるパターンもありえるんですよね。
今、ツイッターでも実名を出す人が増えてきていますが、社員が普通にソーシャルメディアで発信することによって、個人がインフルエンスを持てる時代であることのメリットを、組織的にうまく使う企業がもっと増えてくれると良いなと思います。

将来的には、組織に所属しながらインフルエンサーとしても活躍する、ハイブリッド型の人が増えてくると思いますね。組織の時代と個人の時代の価値観は、必ずしもVS構造ではありません。

ボトムアップで個人の情報発信を促す企業が増えると、日本の「インフルエンサー」という言葉も、大きく印象が変わっていくことになると思います。


徳力基彦◎NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーとして参画。社長、取締役CMOを歴任し、現在アンバサダーとして、ソーシャルメディアの啓発を担当。並行してピースオブケイクでnoteプロデューサーとして、ブログ、ソーシャルメディアの活用支援を行う。

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構成=林亜季、写真=小田駿一

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