ビジネス

2019.10.01

サラリーマンでも発信者になれる。企業内インフルエンサーを歓迎せよ

徳力基彦氏(写真=小田駿一)


ちなみに、誤解のないようにきちんと定義しておいた方がいいと思うのが、「インフルエンサー」という言葉です。

キングコングの西野亮廣さんが「認知タレント」と「人気タレント」という表現を使われています。認知タレントは、有名だが実はそんなに影響力はない人、人気タレントは本当に影響力のある人です。

みんな知っていて、テレビにもよく出ている。認知タレントとしてテレビコマーシャルにたくさん起用される人が、違法薬物使用や不倫など、不適切なことをした瞬間に全部の仕事が失われてしまうことがあります。

一方で人気タレントは根強いファンがついていて、ちょっとやそっとの騒動では離れない。本当の意味での影響力がある人といえます。その影響力の深さや強さがインフルエンサーの本質と言えるかもしれません。

──自身は7月に「note」のプロデューサーに就任。改めてテキストを中心にした表現が見直されているのではないでしょうか。

写真や動画のSNSが増えた結果、一周回ってブログ的なテキストのコンテンツが見直されている面はあると思います。

ただ、noteで影響力がある人は、実はツイッターのフォロワーが多い人が多いんです。いい記事を見つけるようにnote編集部も努力していますが、いい発言やいいコンテンツを見つける仕組みとして、ツイッターが機能している点も大きいと感じています。

noteの勉強会でも、普段からツイッターでちゃんとコミュニケーションを取りましょうとアドバイスすることが多いです。ツイッターでフォロワーをちゃんと増やしておけば、いざnoteで記事を書いたときに、読んでくれる人がツイッターにいる状態になる。そうすれば、フォロワーが拡散してくれたり、紹介してくれたりしするわけです。

ツイッターでは140文字という制限もあって、長文を連投すると、1つの投稿で揚げ足取られたり、平行線の議論になりがちなので、しっかり説明したい話や、誤解されたくない話に関してはnoteに長文の記事を書いてツイッターから紹介する、という使い方をしている人は増えている印象です。

ビジネスパーソンもオープンなプラットフォームで発信しよう

当然、企業の視点からすると、ツイッターは炎上が怖い、という話はあるんですけど。ビジネスパーソンも「プル」のコミュニケーションを最大限に使おうと思ったら、ツイッター、noteやブログのようなオープンなプラットフォームも使った方がいいと思います。

オープンなプラットフォームは、フェイスブックのようなクローズドなSNSにはない「ハプニング」があるんですよね。「すごくいいことを言っている」と拡散されたり、たまたま著名人がフォローしてくれたり。双方向の承認制ではなく、片方向のフォローだからこそありえるハプニングです。
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構成=林亜季、写真=小田駿一

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