動画配信後発のディスカバリー、コンテンツ量で勝負へ

ディスカバリー・ジャパン 代表取締役社長、デービット・マクドナルド


ディープレイの投入にあたり、なぜ日本をアジア初の市場に選んだのだろうか。日本や中国、東南アジアの市場は大きく、かつ重要だと指摘した上で「日本ではまず無料のプラットフォームをローンチしたほうが良いと判断した。幅広いコンテンツを提供し、我社を認知してもらうことが重要です」。

欧米では、メディアの有料化が徐々に進んでいるが、日本では課金のハードルが高いと言われている。こうした見解について「個人的にはそう思います。趣味などにはお金を支払っても良いと考えても、一般的な映像コンテンツに関してはなかなか難しいのではないのかと考えています」。

ディープレイを日本に投入するにあたり、すでに配信されている武井壮が司会を務めるサバイバルクイズ番組「サバイバル・マスター!」をはじめ、婚約者ビザで訪米する花嫁たちが90日で結婚を決めるかどうかを追う「90 day フィアンセ:Tokyo Edition」などの日本オリジナルコンテンツの制作も予定している。

ディープレイやユーチューブ、BS11で膨大なコンテンツを無料で提供するのは、有料チャンネルへの誘導や将来的なディープレイの有料化への布石でもある。自社プラットフォームにより、これまで得られなかった、より詳細なユーザー属性などのデータを得ることができる。このことで日本未配信のコンテンツの中から、どういった番組が受け入れられるかのヒントになる。

「たとえば、BS11で番組を視聴し、続きを視聴したい場合はCSに加入してもらう。ネットとテレビでは一部や過去のアーカイブを見せ、新シーズンはCSで見ていただくことも考えています。我々と他の動画配信サービスとの違いはテレビ放送の事業があることです。ですから、ネット事業とテレビ事業をいかにうまく連携させていけるかが課題です」

過去のアーカイブを含めると30万時間のコンテンツを擁するディスカバリー。日本未配信の膨大なコンテンツで他のサービスに追いつくことができるのか。注目が集まる。

文・写真=本多カツヒロ

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