動画配信後発のディスカバリー、コンテンツ量で勝負へ

ディスカバリー・ジャパン 代表取締役社長、デービット・マクドナルド

ディズニー社は、11月より動画配信サービス、ディズニープラスを提供すると発表。月額定額制動画配信サービスのネットフリックス、Huluなどとの競争が激化することが予想される。一方、広告無料型動画配信サービスでは、ユーチューブやディーライフなど各社がしのぎを削っている。

その広告無料型動画配信サービスに、イギリスの冒険家、ベア・グリルスの人気番組などを擁するディスカバリーがアジア初となるDplay(ディープレイ)を投入することを9月9日明かした。

すでにヨーロッパ7カ国で提供されている同サービスは「ディスカバリーチャンネル」「アニマルプラネット」「Investigation Discovery」「QUEST by Discovery」の同社チャンネルブランドをアプリやウェブブラウザで無料で視聴が可能(一部コンテンツについては来年から有料化する方針)となった。

会見にのぞんだ同社代表取締役社長、デービット・マクドナルドは「日本では、サバイバルやアドベンチャーなどのドキュメンタリー番組の印象が強いディスカバリーだが、世界ではヨーロッパでさまざまなスポーツイベントの放映権を持つユーロスポーツやPGA TOURを放送するGOLFTV、フードやトラベルに特化したチャンネルなど、50ブランドを所有し、220カ国以上で展開している。

全世界で年間約8000時間のコンテンツを制作し、過去のアーカイブを含めると約30万時間のコンテンツを所有している。そのうち日本ではまだ約1割のコンテンツしか提供できていない」と語った。

豊富なコンテンツを所有している同社だが、このタイミングでの動画配信サービスへの参入は、他のメデイアの後塵を拝している感は否めない。

これについて取材に応じたマクドナルドは「ネットフリックスなどに比べるとネット配信事業への参入は遅かった。しかし、同業の他のメディア企業、たとえばディズニー公式エンターテイメントサービスのディズニーデラックスは今年の3月に開始されたので、それほど遅れを取っているとは思わない。日本では1997年にディスカバリーチャンネルを、2000年にアニマルプラネットのCS放送を開始した。長い期間、CS放送やケーブルテレビに特化しネット配信の機会がなかった」と語った。

同社は、昨年、ユーチューブに公式チャンネルを開設した他、dTVやアベマTVなどでも配信し、CS放送という限られた層以外にどう受け入れられるか注視していた。その結果、自社プラットフォームでコンテンツを配信することを決定したという。
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文・写真=本多カツヒロ

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