ビジネス

2019.09.26 12:00

小嶋陽菜 x BASE鶴岡裕太「リアルじゃなきゃ、愛されない」──ミレニアル世代の「ブランド論」

(左)BASE代表取締役CEOの鶴岡裕太 、(右)Her lip toを運営する小嶋陽菜

モデルやインフルエンサーがファッションブランドを立ち上げることは珍しくないが、その多くはアパレルメーカーとコラボしたり、実店舗を展開したりするなど、あくまで既存ブランドの延長線上にあることが多い。

一方、元AKB48のこじはること小嶋陽菜が2018年夏に立ち上げた「Her lip to」は、自らの所属事務所と共同運営し、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドとして順調に売上を伸ばしている。今回、ネットショップ作成サービスBASEを利用するオーナーの一人として、BASEのオフィシャルメッセンジャーにも就任した小嶋が、BASE代表取締役CEOの鶴岡裕太とともに「これからのブランド論」を語る。

「本当に好きなものを作る」からこそ多くの人々に支持される

──お二人は普段から交流があると伺いました。

小嶋:ネットで気になったことをシェアしたり、ブランドのことを相談したり……。Her lip toはファッションだけでなくライフスタイルも含めていろんな形で伝えていきたいので、ブランドとしてどうするのがカッコいいかな、と。

もっと上の世代の経営者の方々は「どうすれば儲かるか」とか、そういった勝ち筋を持っていらっしゃるのですが、鶴岡さんをはじめ同年代の経営者の方々は、「もっと新しくて楽しいことはなんだろう」という思いがある。話をしていてすごく刺激になるし、楽しいんです。

鶴岡:でも、僕の意見はほぼ取り入れられませんけどね(笑)。小嶋さんの中では既に結論が出ていることが多いですから。

──小嶋さんはなぜブランドをはじめたのですか。

小嶋:AKB48として13年間活動してきて、やれることはすべてやり切ったな、と思えたんです。なので、今までやってきたことを更に積み上げていくことには興味がありませんでした。その代わり、今度は自分が何かを作ったり、プラットフォームになれるようなサービスや、自らの「メディア」を作りたいなと思いました。そうすれば、自分の気持ちをリセットして、また楽しく過ごせそうだなって。



だから、Her lip toはたまたまファッションからはじめたけど、「このコスメ、オススメだよ」とか、ライフスタイルや好きなことを発信していけたらと考えていて。その一環として、私が着たいものを少しだけ作って、その世界観に共感してくれる方にシェアして、販売できたらいいな、みたいな感じだったんです。
次ページ > オンラインだからこそ実店舗がとても大事

文=大矢幸世 写真=伊藤圭

ForbesBrandVoice

人気記事