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もちろん、フォローしてくれる人たちに対して「真剣な」活動をしている新しいインフルエンサーも、次々に誕生しているという。例えば不思議な死生感と世界観を伝える物語で見る者を惹きつけ、フォロワーが140万人以上いるイラストレーター(KADOKAWAから書籍も刊行)「アボカド6」や、あの「あいみょん」をしのぐフォロワー数160.9万人を誇るバンド「まふまふ」、パンチパーマで歌を歌う若者で、ツイッターのフォロワー数5.4万 の「ぱんちゆたか」らだ。

「この『ぱんちゆたか』が路上で歌うのを見に行ってTikTokやツイッターに上げる、というのが女子高生の間で爆発的に流行したらしいです。そして、路上ライブに人が溢れた結果、Zepp東京をはじめ全国9都市ツアーを断行するとか、そういうことが起き始めています。もちろん彼らは有名になる、お金を稼ぐためにマスメディアを必要としていませんよね」

これら新興のプレイヤーたちはじめインフルエンサーに重要なのは、その活動がサステイナブルであること、と佐渡島氏はいう。だが、炎上で集まる一時的なフォロワーでなく、信用してくれる「応援団」を組織しなければ持続は難しい。

「たとえばですが、オンラインのブロックゲーム『マインクラフト』にはまっているなら、攻略法とか、『役に立つ』発信をすれば、ほかのゲーマーから信用されて応援団がつくこともありえます」

「そんなふうに、応援される人になる、かっこいい人になる、信用される人になるために努力することは意味がある。例えば自分の思いを毎日、外に発信して「信用されるか」チェックすることは、子供の成長にとってもプラスになる」と佐渡島氏
は語る。なぜなら、「国内でもグローバルでも、『成功する人』のスキルセットがだいぶ変わってきましたからね。その一つがアウトプット力、発信力だと思います。『他人に理解できて役立つもの』を情報として運ぶ能力です」

同時に発信者だけでなく、受信者、情報消費者側の態度が情報空間をインフルエンスすることも忘れてはならないという。

「これからは本物の情報を見極める力を持ったキュレーターたちこそが『メディア』の役割を果たすようになります。『NewsPicks』のピッカーがそんな感じですよね。記事そのものよりも、プロピッカーのコメントの方が真実をついているケースもあったり」

インフルエンサーと「コミュニティ」

さて、コミュニティ作りを模索する「コルクラボ」主宰者でもある佐渡島氏が考える「コミュティとインフルエンサーの関係」とは、何なのだろう。

「人は、自分と似ている人、こいつだったら勝てるなという人が成長している様子を見て、これなら自分でもできると頑張る、その繰り返しで成長すると思うんです。マスコミの世界、遠くにいる人『すごい人』だと、あの人だからできるんだろう、自分には無理、と心が離れてしまう」

だから、自分と似た人たちが集まっている情報空間、しかも変化、成長しているようなコミュニティに入ってインフルエンスされ、成長することも勧めたいという。オンラインにもコミュニティの情報は潤沢にあり、自由に選べるので、『カッコいい』と思う人、すなわち自分にとってのインフルエンサーが形成したコミュニティを選んで参加してみる、そして、そこで信頼される存在になろうと努力するのもいい方法なのだ、と。

「プラットフォーマーにしても、近い将来はARやXR、MRなども入って変貌していくわけで、そうなると、もう『何が勝つか』は謎ですよね。安泰で盤石なプラットフォームなんてない。そう考えるとやはり、プラットフォームに依拠せず、ただただ人間的に信頼されて面白いことをやっていくことが、インフルエンサーにとって重要なんだろうなと思います」


さどしま・ようへい◎編集者/コルク代表取締役。講談社で『ドラゴン桜』『働きマン』『宇宙兄弟』はじめ多くのメガヒット作品の編集を担当。作家の作品編集、ファンコミュニティ形成や運営などを行うクリエーターのエージェント業「コルク」を率いる経営者である傍ら、編集者としても『鼻下長紳士回顧録』『テンプリズム』『マチネの終わりに』『昼間のパパは光ってる』など多くの作品の誕生とその発展に関わる。

文=石井節子 写真=小田駿一

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