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「インフルエンサー」とは何者か

佐渡島氏によれば、今までのメディアは「伝える力」が強く、認知させる、ということが非常にうまかったので、情報を十二分に媒介し得ていた。だから以前のインフルエンサーは、メディアを通して発言するだけで十分にアテンションが取れ、認知されることができたのだ。しかし、現在は「『行動変容を促す人』がインフルエンサーなのではないか」と考えるという。



例えば、従来はある有名人がファッションブランドに起用されると、その人が「ブランドの存在とその内容」という情報をメディアに乗せて運び、興味を持たせる、認知させる、そして購買に誘う、というプロセスが生きていた。そういう「メディアと一体になって始めて発揮される」影響力こそが、タレント、すなわちかつてのインフルエンサーに求められていたことだった。

「でも、今のインフルエンサーは、その人が『いい』と言っているものを手に入れたいと思わせる、その人が見ている世界とか、肯定しているものを身につけたい、同じ行動をしたいと思わせる人だと思います。行動そのものに影響を与え、さらには人生観にまでコミットする、生き方にも影響を及ぼすくらいの人でないとインフルエンサーにはなり得ない」

確かに今や、ある人の知名度と、人々の「行動」へのその影響度はリンクしない。また影響力の「範囲」も、かなり住み分けが厳しいだろう。

佐渡島氏が例に引いたのは、日本で知らない人はいないくらいの認知度の、ダチョウ倶楽部、寺門ジモン。彼が着ている「服」を買おうとはあまり思わないかもしれないが、グルメで知られる彼が「ここは最高」と言っているレストランにならつい行ってみたくなる。そういう「行動変容をさせる」彼は、少なくとも食の分野ではインフルエンサーといえるのかもしれない、と。

また佐渡島氏は『嵐』を評して、「ジャニーズ史上もっとも多くの人びとの行動変容を促している、一番のインフルエンサーだ」という。「もし彼らがSNSを始めたら、きっとものすごいパワーを持つでしょう。彼らは、元々持っているインフルエンスをもっともデジタル化していない人たち、かなりポテンシャルのある存在だと思います」

文=石井節子 写真=小田駿一

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