ニューマンはCEOを辞任した後も会長職にはとどまり、過半数の議決権も引き続き保持するという。ウィーワークは暫定的な共同CEOに元AOL取締役のアーティー・ミンソンと、元アマゾン取締役のセバスチャン・ガニンハムらを任命し、ニューマンの後任選びを進めている。
ウィーワークは先週、9月に予定していたIPOを年内に延期すると発表した。同時に、上場時の推定時価総額を100億ドル程度に引き下げていた。同社の評価額は1月の資金調達時には470億ドル(約5兆円)とされていた。
主要出資元であるソフトバンクは、積み上がる一方のウィーワークの損失額や、バランスを欠いたガバナンス、創業者のニューマンの議決権が大きすぎることに懸念を示していた。
ニューマンは今後もウィーワークの親会社であるウィーの議決権の過半数を保持するが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、彼に割り当てられる1株当たりの議決権は、通常の10倍から3倍に減るという。
ソフトバンクはウィーワークに、これまで100億ドル以上を出資してきたが、ニューマンの経営スタイルを受け入れ難いと判断したようだ。ニューマンの追放を主導したのは、ソフトバンク会長の孫正義であるとCNBCは伝えている。
ニューマンは2017年のフォーブスのインタビューで、孫がウィーワークへの出資を決めた際のミーティングの模様を次のように語っていた。
「マサは私のほうを向いてこう言ったんだ。賢い男とクレイジーな男が居たら、戦いに勝つのはどっちだと思う?──私は“クレイジーな男だ”って答えたよ。そしたらマサは、“君は正しい。でも、君たちはまだ十分にクレイジーではない"と言った」
CNBCは関係筋から得た情報として、孫がニューマンをCEOの座から追放したのは、ニューマンがクレイジーすぎるからだと報じている。