ウイングと提携のウォルグリーンズ 医薬品ドローン配送を試験へ

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米ドラッグストア大手のウォルグリーンズは先週、米アルファベット傘下のウイング(Wing)と提携し、商品を「店舗から家庭まで」ドローンで配送をすることを発表した。同社によると、これは小売薬局業界初の試みだ。

ウイングは来月から、バージニア州クリスチャンズバーグのウォルグリーンズの顧客に対して「健康・ウェルネス製品や食品・飲料・日用品」などの配送を開始する予定だ。提携の財務的な条件は明らかにされていない。

ウイングは今年、ドローン事業者として初めて米連邦航空局(FAA)から航空事業者としての認可を受けたと発表。また同社は発表で、バージニア市場での試験運用において、米物流フェデックスの航空貨物部門であるフェデックス・エクスプレス(FedEx Express)とパートナーシップを組むと述べた。

ウォルグリーンズとウイングは、共同発表の中で次のように述べている。

「ウォルグリーンズとウイングは、健康・ウェルネス商品の未来や空を介した小売配送をさらに探求すべくパイロットプログラムを活用する。このプログラムでは、ウイングのアプリケーションを通して注文から数分で商品が準備・宅配される」

今回のパイロットは、ウォルグリーンズが手がけるプロジェクトの中で最新のものだ。同社は医療分野での取り組みを強化しつつ、宅配サービスを提供するオンライン薬局ピルパック(PillPack)を昨年買収したアマゾンをしのごうとしている。また、競合のCVSヘルス(CVS Health)もデジタルや宅配面での取り組みを強化する一方、新たなヘルスハブ(HealthHUB)店舗を米国全土の数百の市場に展開しつつある。

ドローン配送は、患者に正しい処置を正しい場所・時間で提供することを目指す価値基準の医療モデルに新たなひねりを加えるものだ。

ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスのヴィシュ・サンカラン最高イノベーション責任者(CIO)は「私たちは顧客に焦点を当てることで、顧客が必要とする商品とサービスをいつでもどこでも顧客が希望する方法で提供するような、他社と差別化したショッピング体験を作り出し続ける」と述べた。

「これこそ、数時間や数日ではなく数分で自宅に商品を配送し、顧客やコミュニティーにとっての便利さを再定義できるオムニチャネルの提携・サービス提供だ」
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翻訳・編集=出田静

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