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スタートアップスタジオ事業の責任者を務める船木大郎(たろう)も、起業家として苦労した経験を持つ。船木は「チャリ走」などを開発したゲーム会社で働いた後、ゲーム開発に必要なアプリをプラットフォーム化する会社を起業した。

当時の事業を売却し、事業をピボットしつつ苦戦してきたなかで、旧Framgia傘下に。当時コミュニケーション窓口を担当してくれたのが小林だった。「すべてのことが初めてだったので、もっと選択肢があったと思う部分は多くあります。どうしても近視眼的になってしまうし、もっと外の世界は広いということを教えてくれるところもなかった」と船木は語る。

今回の「スタートアップスタジオ」は、はじめから事業化を目指したわけでなく、事業に深く関わることで上手くいく事例が増えてきたためにパッケージ化したという経緯がある。

具体的には、17年末、人材スタートアップのZENKIGEN(ゼンキゲン)が持つ動画面接のプラットフォームをサービス化するためにサン アスタリスクと共同で会社を設立。事業と相性の良さそうなメンバーを招へいし、事業成長を後押し。設立から2年で150社以上の有料顧客数を獲得できた。

テナントと不動産事業者をマッチングするスタートアップ「テナンタ」においても、CXOのアレンジから成長戦略の支援までを共同で行なってきた。その延長にあるのが今の「スタートアップスタジオ」。実務内容で言えば、実はやろうとしていることはこれまでと変わらない。

なぜ「スタートアップスタジオ」と名乗るのか?

では、なぜこのタイミングで「スタートアップスタジオ」と銘打つのか。そこには、やはり「起業を諦めないでほしい」という小林の強い思いがあった。

「インキュベーターやアクセラレーターという言葉が一般化し、本来の意味とは少し違う使われ方も増えてきた。私たちが同じ名前を使うと、本当の意図が伝わらない可能性がありました。まだ『スタートアップスタジオ』という言葉の定義自体が曖昧なうちに、これまでとは違う支援の仕方、本来あるべき深いコミットができる環境だということをスタートアップにもわかってもらえるようにしたんです」

数々の企業を支えてきたサン アスタリスクだからこそ、新しい名前を打ち出すことで起業のハードルを下げることができている。実際には「ゼロイチでスタートする起業家の支援から大企業の新規事業、売却目的の事業化まで、なんでもやる」ことが強みだ。

今年3月に企業名とミッションなどを見直した同社だが、これも「伝わること」を意識した改革だった。まるで太陽のように、全ての生命を育むインフラとなって、新しいビジネス、イノベーターの「種」を育てることが彼らの目指すところ。今年広報チームを本格化し、発信に力を入れはじめたのも同じ目的だ。

文・写真=角田貴広

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