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2019.09.25

スバル次期レヴォーグのティーザー写真で何がわかるのか?

新型スバル・レヴォーグのイメージ画像

あれ、またティーザー写真だ。こうジラすのは、みんな好きじゃないと思う。なるべく形を見せずに、どれだけ期待度を高められるか。カーメーカーはみんなやっているが、どうだろう? 見える部分は格好良く写るのか、それとも、見えない部分が好奇心を掻き立てるのか……。

さて、スバルがリリースしたこのオフィシャル写真に写っている新型レヴォーグのプロトタイプは、来る10月23日、東京モーターショーが開催されるビッグサイトでワールド・デビューを果たす。

世界で初公開というと、「レヴォーグは国内専用モデルじゃなかった?」と疑う人もいるかもしれないけど、実は2014年にデビューしたレヴォーグは、日本以外に、オーストラリアや欧州の数カ国とイギリスに輸出されており、国際的に意味のある車種と言える。

写真を見る限りでは、次期型は現行型よりも、サイドに少しエッジを効かせているし、ブリスターフェンダーを強調しているように見える。スバルに詳しい同僚からの情報によると、現行型の特徴であるヘキサゴングリルやホークアイ・ヘッドライトは、大きく変えないようだ。

実は、スバルはこの新型レヴォーグについては、ほとんど何も発表しないと聞いている。新型のボディを展示するものの、エンジンのスペックや走り、室内、または安全装備の話は一切しないらしいのだ。

でも、今までのスバルの動きを見ていると、こう言えると思う。新型レヴォーグには、手放しの自動運転の機能が搭載され、2リッターのターボエンジンとともにハイブリッド・エンジン仕様も導入される。そのハイブリッドの技術は、同社独特のボクサーエンジン用に開発している部分もあれば、22年以上前からハイブリッドの開拓者として、ずっと開発してきているトヨタからも、技術を採用すると思われる。

スバルは、XVなどに独自開発のマイルド・ハイブリッドを導入しているけれど、今後日本よりもエミッション関係に厳しい欧州に出すにあたって、しっかりしたハイブリッド仕様をラインアップに加えなければならない。現行型の1.6GTターボ仕様の燃費の17.6km/リッターは悪くないけれど、ライバルのVWゴルフなどの20km/Lと競争るするなら、ハイブリッドは不可欠だ。

正直なところ、燃費が向上して、エミッション排出量が適度に減れば、欧州ではもっと売れるだろう。だって、サイズは欧州の道路にぴったりだし、これから出てくる新デザインは欧州を意識していると予測する。

資料で唯一、手短な紹介されているのは「自動運転」だ。モーターショーの事前資料で、「自動運転化が進むモビリティ社会」に触れているということは、新レヴォーグには日産やBMWがすでに市場に導入している「手放し運転」というフィーチャーを加えるということ。それは業界の安全技術をリードしている「アイサイト」の延長線になるはずだ。おそらく、先方の車両にぴったりと追従していて、1車線をキープしていれば、ハンドルから手が放せる自動運転のシステムが搭載されるようだ。

やはり、スバルはレヴォーグを進化させ、欧州の排気ガス規制に合わせ、手放し運転もできる機能も搭載する。そして欧州の有力ライバルと競争するなら、その市場を広げたいところではないか。そろそろアメリカ市場も視野に入れた方がいいのではないだろうか。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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