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2019.09.24

起業家の成功を左右する「本物」と「偽物」の情熱|ユーザベース 梅田優祐

ユーザベース 梅田優祐

企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」を提供しているユーザベース。「経済情報で、世界をかえる」をミッションとし、2008年創業でありながら、2013年に上海・香港・シンガポールに拠点を開設し、2016年にはスリランカにリサーチ拠点を開設した。

翌2017年には「NewsPicks」の米国進出に伴い、Dow Jones社との合弁会社をニューヨークに設立するなど、グローバル展開にも力を入れている。今回は、同社の代表取締役・梅田優祐氏に起業家の素養や「NewsPicks」開発秘話などについてドリームインキュベータの下平が聞いた。(全6話)※本記事は2017年4月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。

コンピュータが起業家になれない1つの理由

──起業家にとって必要な素養をお教えください。また、それがどのような経緯で梅田さんの中に育まれてきたかもお聞かせください。

この質問に対してパッと思い出したのは、落合陽一さんのお話です。

落合さんは、「コンピュータに負けないために持つべきなのは、根性やガッツではありません。コンピュータには無くて人間にあるのは、『モチベーション』です。コンピュータには『これがやりたい』という動機がありません。

目的を与えれば人間には太刀打ちできないスピードと精度でそれを処理しますが、それは『やりたくてやっている』わけではないでしょう。いまのところ、人間社会をどうしたいか、何を実現したいかというモチベーションは、常に人間側にあるのです」(落合陽一著『これからの世界をつくる仲間たちへ』)とお話しされています。私も本当にそのとおりだと思っています。

起業家というのは、『モチベーション』が必要な最たる職業ですよね。



──モチベーションを高めるにはどうしたらよいのでしょうか?

モチベーションの源泉は情熱です。つまり、情熱に対してまっすぐな人が起業家に向いています。どこからか湧き出てくる、論理では片付けられない情熱に正直に行動できる人はモチベーションを高めていくことができます。

また、情熱に正直でいると、まわりに人が集まってきます。そして、モチベーションがあれば、意志を強く持つことができます。英語だと「Willingness」というのでしょうか。意志の強さがあれば、あとのことはどうにでもなるものです。

当然ながらコンピュータには意志がないので、起業家にはなれません。そういう意味で起業家にとって重要な素養は、情熱だと思うのです。

ただし、少し気をつけなければいけないことがあります。それは、「本物の情熱」と「偽物の情熱」があるということです。
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文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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