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2019.09.24

スナップチャット、FBの「独禁法違反」の証拠を米当局に提出

franviser / shutterstock.com

米連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックが競合企業に圧力をかけ、独占禁止法に違反する行為を行っていなかったかを調査している模様だ。

スナップチャットはFTCに対し、フェイスブックが同社のビジネスを抑え込むために講じた施策についてまとめた書類を提出した。9月23日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

FTCは、フェイスブックの容赦ない戦術が、独禁法に抵触した可能性があると見ており、フェイスブックは厳しい立場に追い込まれそうだ。スナップチャットの法務部門は、フェイスブックがこれまで独占的地位を利用し、同社のビジネスを妨害した記録を書類にまとめたという。

書類でスナップチャット側は、フェイスブックが傘下のインスタグラム上で、スナップチャット関連のコンテンツが「発見(explore)」タブで目立ちにくい措置を講じ、検索対象から除外したと指摘したという。

スナップチャットはまた、インスタグラムが「スナップチャットのリンクをプロフィールページに掲載した場合、認証マークを削除する」と、利用者を脅したと述べている。今回の書類はスナップチャット社内で、「ハリー・ポッター」に登場する宿敵の名を冠し、「プロジェクト・ヴォルデモート」と呼ばれているという。

WSJによると、FTCはフェイスブックが競合サービスの買収に失敗した場合、相手の主要機能のコピーを自社のプラットフォームに導入している件についても調査を進めている。そのような措置は、スナップチャットや位置情報SNSのフォースクエアに対してとられていた。

フォーブスはフェイスブックとスナップチャットにコメントを求めたが、回答は得られていない。

フェイスブックは今回の件も含めて、現在4つの独禁法違反の疑いで調査を受けている。FTCだけでなく米司法省や米連邦議会、複数の州の司法長官らのグループがフェイスブックに対する調査を進めている。

2年前にIPOを果たしたスナップチャットの株価は、当初は悲惨な状況だったが、今年に入り急騰した。昨年12月に4.99ドルだったスナップチャットの株価は現在、17ドル台に達しており、テクノロジー分野で今年最も好調なパフォーマンスを記録した銘柄の1つとなった。

編集=上田裕資

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