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それとは対照的なのが、カナダ百貨店大手のハドソンズ・ベイだ。中間価格帯のデパート部門は市場シェアを失っているし、第2四半期には大幅値引きによって大きな損失が生じ、それが今でも拡大を続けている。一方、高所得者層の顧客を明確な標的とした2つのブランド、サックス・フィフス・アベニューとサックス・オフ・フィフスは成長を遂げてきた。

こうした業績の二極化は、長年続いてきたものだ。会計事務所大手デロイトによる2018年の調査では、中間層から抜け出せないブランドに業績不振と店舗の閉店が集中していることが明らかにされた。また同報告書は、業績が二極化している理由を説明するマクロ経済的な要素として、低中所得者層の家庭の購買力が減少し、富裕者層の購買力が増加していることを挙げている。

消費者に力が移行し、競争が激化し、選択肢があふれ、情報と混乱の洪水に誰もが飲み込まれるにつれ、ユニークで記憶に残り、顧客にとって強い重要性を持つ商品を提供できないブランドは注目を集めることができないし、消費者に金を使わせることなどなおさら難しい。「十分良い」ではもはや十分ではない。二流よりも少し良いレベルで生き残るのは無理なのだ。

過去20年間何もせずに過ごしてきた全小売業者には、イノベーションを起こさず、リスクを取ってこなかったことの付けが回ってきている。

他のブランドから差別化できず、“同一性の海”で溺れるブランドは、スペクトルの両端へと走る必要がある。そうでなければこれまでの多くのブランドと同様、ビジネスから撤退してしまうことになるだろう。

翻訳・編集=出田静

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