また、女性の場合は加入していても、男性より保障額を少なく設定している。保障額の平均は女性が23万1342ドル(約2490万円)、男性が42万3102ドル(約4560万円)だ。
その他の主な調査結果は、以下のとおりとなっている。
・自分の死が家族の生活の質に「多大な」影響を与えると答えた女性は79%、男性は78%
・生命保険に加入していない回答者に「加入する場合に必要と考える保障額は?」と尋ねたところ、平均額は女性が17万5423ドル、男性が35万5348ドルだった
・回答者の平均収入は、女性が5万2484ドル、男性が7万2482ドル
回答がこのような結果になったのは恐らく、必要な保障額を現在の収入から算出する従来の経験則のためだと考えられる。これまで保障額は、年収の5〜10倍が必要とされてきた。
全体として、女性の収入は依然、男性より少ない。また、育児を引き受けるのは女性の場合が多い(回答者のうち、「育児は主に自分がする」と答えたのは女性の83%、男性の57%)。これらを基に計算すれば、必要な生命保険の保障額は、女性の方が男性よりも少なくなる。
人生や人の死を金額で計ることはできない。それでも生命保険については、何らかの方法で金額を割り出さなければならない。そのため、生計を支えている家族が亡くなったときに一家が失う収入を肩代わりするものとして、保障額は年収に基づいて算定されてきたのだ。
従来の保障額の算出方法によれば、収入がない専業主婦に生命保険は必要ないということになる。だが、家族が亡くなったときに失われるのは収入だけでなはない。その女性が家庭において担ってきた無給の役割の価値は、どのように保障されるべきだろうか。
給与関連の情報やコンサルティング・サービスを提供する米サラリー・ドット・コム(Salary.com)は、家事・育児が報酬を伴う仕事だった場合の収入がどの程度になるかを調査。その結果を公表している。
家事代行や栄養士、保育士、ネットワーク管理者、ソーシャル・メディア・コミュニケーション担当者、レクリエーション療法士といった職業に就く人たちのリアルタイムの給与から推計したところ、家事・育児専業の人の2019年の年収は、およそ17万8201ドルになるという。これに基づいて考えれば、家事・育児専業の人に必要な保障額は、89万〜178万ドルだ。
必要な保障額を正確に割り出すことは不可能だ。だが、一つ確実なことがある。それは、私たちは家族の役割の評価方法を再考する必要があるということだ。生活において自分を頼る誰かがいる人は全て、生命保険に加入する必要がある。家族に計り知れないほどの価値を提供しているからだ。
ヘブン・ライフの調査では、性別に関わらず回答者の圧倒的多数が、家事・育児専業の人は「生命保険に加入すべきだ」と答えている。