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要するに、私たちは空腹の状態にあるとき、より短期的に得られる報酬を重視するようになり、それは食べ物に限らないということだ。ビンセント博士は、「この調査結果が示すのは、空腹のときにはより今現在に集中した意思決定をするようになるということだ」と説明する。空腹によって「お金に関しても、近視眼的な決断を下してしまう可能性がある」という。

「例えば、年金や住宅ローンについて専門家に相談に行ったときに空腹だったとすれば、よりバラ色の未来よりも、すぐに得られる満足感を重視してしまうかもしれない」

慢性的に栄養不足になっている人は、特にこうした影響を受けやすいと考えられる。過去の研究では、貧困状態にあることのストレスが、お金に関する不適切な決定につながっていると指摘されている。空腹は、問題を悪化させる恐れがあるということだ。

自分の意思で食事を取らない人についても、同様のことが言える。ビンセント博士はこうした人たちについて、次のように述べている。

「朝食を食べずに学校に行く子供たちがいるほか、摂取カロリーを制限している人も多い。宗教上の理由で断食する人も大勢いる」

「空腹の状態にあることは、非常に一般的なことだ。私たちの好みや意思決定が、その空腹によって目に見えない形で影響を受けている可能性があることを理解しておくのは、重要なことだ」

編集=木内涼子

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