飛行機の日よけ 下げる必要は本当にある?

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飛行機の中で、窓の日よけの上げ下げを指示され、学校時代に戻ったような気分になった経験は誰しもあるはずだ。ほとんどの人は、日よけを上げることに関しては理解できるだろう。離着陸のために日よけを上げる必要があることは理にかなっており、飛行機に初めて乗る人でない限り理解していることだ。しかし、そのルールが曖昧になるのはどういった場合だろう?

まず、知らない人のために説明しておくと、米国では離着陸のときに日よけを上げておくことが連邦法で定められている。これは、緊急事態が生じ避難しなければならないとき、乗務員が外を見られるようにするためのものだ。

大半の事故は離着陸時に起きるため、これは全くもって合理的だ。これは法律であり、客室乗務員から離着陸時に日よけを上げるように指示されたら従う必要がある。しかし、この法律は巡航中には適用されない。では、日よけを管理するのは窓際の人だろうか、それとも他の乗客や客室乗務員だろうか?

厳密に言えば、日よけに関する方針は各航空会社によって違う。しかし、これを運送約款に実際に含めている航空会社はないため、日よけに関して普通のエチケット以上のルールを強制することはほぼ不可能だろう。

長距離の夜行便に乗っていて朝日が昇ったとき、早起きした乗客が窓の日よけを上げることは良いマナーとは言えない。その場合は間違いなく、日よけは下げたままにすべきだ。

しかし、私が個人的に強く反発している最近の傾向として、日中の便でも離陸のわずか数分後に乗務員が通路をせかせかと回り、乗客全員に対して日よけを下げるように要求することが増えている。これにより飛行機全体が墓場のように締め切られてしまう。

これには多くの問題がある。まず何よりも重要なこととして、飛行機に乗ることに不安を感じる人は多い。不安に対処するため通路側の席を選ぶ人もいれば、逆に窓側に座る人もいる。また、例えば午前11時に離陸した日中のフライトがなぜ「昼寝の時間」になるのかは合理的に説明できない。私たちは子どもではない。日中の便ですぐに夜間モードに入ってしまうと、確実に時差ボケになってしまう。

客室乗務員に反論することもできるが、決まった規則はないにせよ、最終的には乗務員の指示には従うようにしよう。窓の日よけは絶対に下げなければだめだと乗務員が言ったのなら、反論の余地はほぼない。

この問題はどうすれば解決できるのだろう? 答えはボーイング787型ドリームライナーに乗ることだ。ドリームライナーでは、自分の窓の明るさを複数の段階で調整でき、光の量を10%まで減らせる。つまり、非常に暗い色のサングラスをつけたような状態で外を見ることができるのだ。

編集=遠藤宗生

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