FBが新ハードウェア「Portal Mini」発表、音声アシスタントに注力

(第2世代Portal / フェイスブックニュースルーム)

フェイスブックは今から約1年前に、ビデオ通話に特化したスマートディスプレイ製品の「Portal」と「Portal+」を発表したが9月18日、第2世代のPortal及び「Portal Mini」、さらに「Portal TV」を発表した。

3つのデバイスの価格は129ドルから179ドルで、米国やカナダ、欧州で予約注文受付を開始した。これらの製品にはAR機能に対応するカメラやマイク、音声アシスタント機能が搭載されており、グーグルやアマゾンを追撃する狙いがあると見られている。

Portalシリーズではビデオ通話のみならず、3Dカメラを用いたマルチプレイヤー型のゲームや外部のコンテンツが楽しめる。フェイスブックのハードウェア部門の売上は、今年の第2四半期に2億6200万ドル(約280億円)とされたが、総売上の2%以下に留まっている。

「当社にとってハードウェア部門の売上はまだ小さいが、Portalのエクスペリエンスを打ち出すことは重要だと考えている」と、フェイスブックのハードウェア部門幹部は話した。

調査企業eMarketerによると、音声アシスタントを月に最低1度は利用する米国人の数は、年内に1億1200万人に達する見込みだ。この分野ではアマゾンのエコーが約60%のシェアを誇り、グーグルが約30%とされている。残りの約10%を、アップルやフェイスブックらが争っている状況だ。

音声アシスタント市場に乗り込む企業らは、ロングタームの視点で囲い込みを実現しようとしている。フェイスブックは今後、ターゲティング広告にこれらのツールを用いる見通しだ。

プライバシー問題で強い批判を浴びたフェイスブックは、第2世代のPortalデバイスで、より高度なプライバシー管理機能をアピールしている。ユーザーはカメラやマイクを通じた情報の貯蔵に制限をかける、もしくは無効化することが可能となっている。これらのデバイスが取得したデータはいつでも確認可能で、削除も行える。

今回発表されたPortalデバイスは、フェイスブックが開発したPortalのオペレーティングシステム(OS)の最新版に対応している。最新版OSでは、ワッツアップ経由のビデオ通話がPortalデバイス上で可能になり、通話内容はエンドツーエンドの暗号化で守られている。

さらに注目すべきは、フェイスブックがアレクサのスキルに対応した点だ。さらにアマゾンプライムビデオのコンテンツをPortalデバイス上で、視聴可能になっている。

今回発表されたPortal TVはカメラを搭載したストリーミングデバイスであり、テレビ上でビデオ通話が行える。しかし、アマゾンプライムビデオに対応する一方で、ネットフリックスの視聴が出来ない点は、大きな欠点と言えるかもしれない。

ただし、フェイスブックの幹部はネットフリックスに非対応であることを、さほど重大なこととは考えていないようだ。「ネットフリックスを観たいユーザーは、別のツールを用いて視聴するだろう」と、デバイスの担当幹部は話した。

編集=上田裕資

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